内容説明
嘘を見抜く名人は刃物男騒動に、演説の達人は「幻の女」探し、精確な体内時計を持つ女は謎の招待券の真意を追う。そして天才スリは殴打される中年男に遭遇―天才強盗四人組が巻き込まれた四つの奇妙な事件。しかも、華麗な銀行襲撃の裏に「社長令嬢誘拐」がなぜか連鎖する。知的で小粋で贅沢な軽快サスペンス!文庫化記念ボーナス短編付き。
著者等紹介
伊坂幸太郎[イサカコウタロウ]
1971年、千葉県生まれ。2000年『オーデュボンの祈り』で新潮ミステリー倶楽部賞を受賞してデビュー。吉川英治文学新人賞、日本推理作家協会賞、本屋大賞、山本周五郎賞を受賞し、いま最も幅広い読者の支持を得る作家の一人である(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ehirano1
670
どうも各章での繋がりに無理やり感があるなぁと思っていたら、元々は短編で、著者の違和感から各章に加筆を施し長編に仕立て上げたとのこと。短編で良かったんでは?とはいえ、ギャング4人の掛け合いは質的に益々パワーアップしており読んでいてとても楽しく、その場に混ぜてほしくなるほどでした。2022/03/04
absinthe
478
器用な作家だなぁ。痛快なコメディ。全体を一度に明かさず、少しずつネタを見せる手法も、人物を動かす手法も、マジシャンのような手際。実は短編として書き始めたのは後で知った。登場人物はみんな頭がいいな。頭が悪い人に頭がいい人はかけない。著者もきっと頭がいいのだろう。それがよく伝わってくる。文章は完成しているが感性は若いまま、大学生のノリのまま書いたかのよう。2019/10/21
またおやぢ
435
決して"日常"とは言えないエピソードの数々。しかし、この四人組に起きた日々の出来事と言われるとさもありなんと思えるから不思議。流れる様に物語が組み上がっていく展開の巧みさに、今回も一気に読了。2014/05/21
fukumasagami
414
「『はい、これでいいでしょ。敗者は潔く、勝者に道を明け渡せ。去れ、敗者』おどけたように雪子は言うと、オーナーを横に押しのけた。『またの挑戦をお待ちしております。鮎子さん、行こう』 『何のマジックですか、あれ?』鮎子が横に並び、小声で訊ねる。 『わたしね、時計がなくても時間がわかるの』と雪子は唇の両端を、小さく吊り上げ、そして、楽屋のドアを開けた。『時間は誰にも、平等に刻まれる』」 かっこいい!2021/02/11
ダイ@2019.11.2~一時休止
413
陽気なギャングその2。ギャング部分はおまけ程度だったけど面白かった。中でも文庫のおまけ短編が良かった。2014/06/13