内容説明
どんな大店にも難なく侵入できる最良の方法。それに思い至った押込み一味の伊太郎はほくそ笑んだ。やがて大胆不敵な押込みが市中に跋扈し、町奉行所、火盗改めが探索に窮するなか、ついに風烈廻り与力の青柳剣一郎にも探索命令が。そんな折、剣一郎は偶然知り合った老人佐兵衛の孫娘に奇妙な言葉を掛けられる。そこに事件を解く重大な手がかりが隠されていた…。
著者等紹介
小杉健治[コスギケンジ]
1947年、東京生まれ。83年「原島弁護士の処置」で、オール讀物推理小説新人賞を受賞し作家デビュー。『絆』で日本推理作家協会賞を、『土俵を走る殺意』で吉川英治文学新人賞を受賞する。社会派推理、時代小説などを執筆し、幅広く活躍中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ベルるるる
18
婚約者と友の裏切りをきっかけに人生の転落が始まってしまった市之進。人生に絶望して悪の道に進んで行く男の哀れさ。剣一郎と意気投合した町人の男の秘密。そして自ら討たれて死んでいく男の覚悟。夫の妾と同居するくらいなら家を取り潰してしまうように行動する与力の妻。人生は一本道じゃなくて、細く曲がった道を危なっかしげに進んでいるんだね。落ちてしまえば元には戻れない。剣一郎が、死ぬしかないとしても、恩人の窮地を救おうとする市之進を送り出してよかった・・・。2016/12/01
夢子
13
今回は青柳剣一郎の偽物が大店に強盗に入り千両箱を盗み人も殺める、捜査1課長は事件解決はするが相変わらず人情のある話で締めくくられている。泣かされるなー2024/08/06
アンベラー
8
話的にはパターン化しているように思えるが何故か読んでしまう 青痣与力の人柄が好きで周りの人たちも良い人たちが多いからだろうか しかし与力の奥方は毎回内助の功発揮でチョット出来過ぎそれに気立てがよく美人こんな役どころ演じるやくしゃさんいるかな? 最後におみつの話も出来過ぎて話が繋がってましたねーでもよかったわ2019/07/27
ひかつば@呑ん読会堪能中
8
今回の主役は、脱藩したが真面目な武士菅沼市之進を悪の道に引きずり込む伊太郎の2人。顔の痣を見込まれて悪の手先になってしまう失意の市之進を伊太郎が庇う最後のシーンはなかなかよかった。 2013/11/22
昌子♪♪
1
出会いで人生あっちこっち...!?2017/08/19