感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
卯月
2
再読。1949年に発生した下山・三鷹・松川の戦後三大謀略事件。私は下山本を数冊読み、関連本として本書を買ったが、コレ初心者向けじゃない(汗)。罪を着せられた被告たちの裁判中に出た本の復刊だからか、「読者は松川事件及び裁判の経緯をある程度知っている」というスタンスで、説明なしに話がどんどん進む……初心者は、柴田哲孝氏の解説に書かれている概略を先に読むべき。あと、松川や飯坂の位置関係が解らないので、福島県の地図が欲しい。でも面白い。“予行演習”の予讃線・庭坂事件は、コレ読むまで知らなかった。2011/10/22
Ikuto Nagura
1
下山事件は自殺の可能性があるし、三鷹事件も事故の可能性がある。でも松川事件だけは違う。逮捕された共産党員らの全員無罪が明らかな以上、この転覆工作の真犯人がどこかに必ずいる。本書にはCIA(DRS)の謀略を示すものは状況証拠しか出てこないので、著者の推論を全て鵜呑みにできないけど、読み応え抜群だった。それだけに、松本善明(弁護士・共産党元国会議員)に届いた真犯人を名乗る手紙と女中拉致についての言及がないのが、何とも不可思議。大野達三・小松良郎・広津和郎・日向康など、関連書を読みたくなったが入手し辛そうで…。2015/09/18