内容説明
死の床にある父親から、僕は三十五年前に別れた元恋人を捜すように頼まれた。手がかりは若かりし頃の彼女の画。僕は大学に通う傍ら、彼らが一緒に住んでいたアパートへ向かった。だが、そこにいたのは画と同じ美しい彼女と、若き日の父だった…(「イエスタデイズ」より)。異例のロングセラーとなり、新世代の圧倒的共感を呼んだ著者初の恋愛小説、待望の文庫化。
著者等紹介
本多孝好[ホンダタカヨシ]
1971年、東京都生まれ。慶應義塾大学法学部卒業。94年、「眠りの海」で小説推理新人賞を受賞、99年に受賞作を収録した『MISSING』で単行本デビュー。静謐な文体と心に響く物語性で着実にファンを増やしている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佳蓮☆道央民
111
★★★★★初読み作家さん。うわぁ‼この人の作品タイプだわ~!ファンタジーやら、寒気を感じるものや、共感する場面や、何かチロっとの、格言みたいな言葉が良くて、ノートにメモったりして、読み進めた。四つの短編集で読みやすかった‼最後の「シェード」ってハウルの動く城とかに出てきそうな雰囲気がした。一番好きな章は、学校が舞台の「fine DAYS」かな。リアルな性描写にうわぁ…。ってなったけど、何か世にも奇妙な物語に出てきそうでハマり込んで読んだ。初読み作家さんで、最初の作品をこの本を読めて良かった。楽しかったです2017/02/03
りゅう☆
93
教師が飛び降り自殺。たたられて死へ導くと噂の美女転校生が疑われるもまさかの真実に驚愕、だがそれも遠い過去となり儚さを感じた『FINE DAYS』。余命数カ月の父から、昔の恋人とその子供を探してほしいと頼まれた三男。そして過去の二人とリアルに出会う不思議な体験をし、彼らの別れまでの経緯を知る『イエスタデイズ』。辛い過去を背負う主人公と姉の服従から逃れられない結城の恋が宣戦布告に負けず絶対勝ってほしいと願う『眠りのための暖かな場所』。ガラス職人と自分の今の恋が重なる。客観的にみることで消せない過去を受け止め→2019/08/19
H!deking
93
四編からなる短編集。いやーどれも面白かったけど、最後の話が刺さりました。光が無ければ闇は存在しない、か。本当いろいろ考えさせられました。今ちょっと凹み気味なので、今読めてよかった。本多さんさすがです。104冊目2018/10/22
つーこ
88
どの話も、愛について、だけどちょっとビターな話。どんな人生でも出会いと別れがあって、でも希望もある。それを改めて実感させてもらった。本全体に包み込むほんわりした雰囲気と優しい言葉は、さすが本多さん。『シェード』での老婆の言葉と、彼が抱いた希望に胸が熱くなりました。2012/10/17
射手座の天使あきちゃん
83
恋愛短編集です 父親の昔の恋人を捜すため、訪ねた古いアパートで…、第四話も幻想的でよかったです 平均以上の面白さでした2009/08/16
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