内容説明
永代橋―桜の季節、愛しい男を待って橋の袂に佇む女。一石橋―生きる希望を与えてくれた母子のために、命をなげうつ男。紀伊国橋―島送りになった夫のために春をひさぐ女。元柳橋―仇と追われながらも、清冽な愛を貫く男と女…。北町奉行所の橋廻り同心である立花平七郎と、読売(瓦版)屋の女主人・おこうの人情味あふれる活躍を描く書き下ろし時代小説。
著者等紹介
藤原緋沙子[フジワラヒサコ]
高知県生まれ。立命館大学文学部史学科卒。小松左京主宰「創翔塾」出身
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感想・レビュー
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ベルるるる
21
世の中、理不尽な事だらけ。そんな事はわかってる。時代小説で正しく生きている人が勝つと本当にホッとしてしまう私。でも、この本は短編のどの話も理不尽な境遇に陥ってしまった人達の悲しい話。平七郎も頑張るけど、大抵、時すでに遅し。主人公の平七郎も上司のせいで理不尽な目にあってる。辛いな~と思いながら読み進んだ。でも、最後の最後に奉行が登場。平七郎の正しい行いを見てくれてる人がいた。認めてくれてる人がいた。あ~よかったよ・・・。2016/03/03
ごへいもち
11
こういうのもだんだん飽きてきたかも2025/06/29
タツ フカガワ
9
初読みの藤原緋沙子本。立花平七郎は凄腕の北町定廻り同心だったが、ある事件をきっかけに、江戸市中の橋の管理監督を行う定橋掛という閑職へ。そんな平七郎があつかう捕物は人情味あふれるもので「迷子札」には思わず涙でした。2019/01/13
けいちか
5
定橋掛というお役があること自体知らなかったな。確かに江戸には100を超える橋があるのだから、その橋ごとに事件が起きてたら、シリーズがずっと続くねえ(笑)。しかし、元定町廻りという経歴で、落しいれられた上司を脅して(笑)情報を得、問題を解決するも、華々しい部分は元上司に譲っているという。お奉行様が後ろに付いてくださったからには、これからどう変わって行くのか楽しみ。2015/06/12
雫
5
かつて黒鷹の異名をとっていた同心平七郎。とある事件から今は定橋掛、通称橋廻り同心となり淡々とお勤めを続けている。 私は橋廻り同心を知りませんでした。花形職業から閑職へと移り、淡々としている平七郎ですが、江戸の街は橋が多い。橋のたもとには人々の暮らしが近い。短編4本、どれも理不尽に怒りを覚え虐げられる人に哀しみを抱き、寄り添う人に希望を抱く…まさに時代劇の王道。この時代劇、洋書では出会いません。フィクションでも昔こんな事あっただろうなと確信めいてます。時代小説や歴史は身近で日本語読めて(日本人だから当たり前2015/03/08