祥伝社文庫
大東京三十五区 冥都七事件

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  • サイズ 文庫判/ページ数 337p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784396331665
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

血を吐く松。迷路での人間消失。消える幽霊電車。天に浮かぶ文字―昭和も初め、帝都東京に現われた謎また謎。早稲田の不良書生、阿閉君はこれら怪事件の取材におお忙し。「玄翁先生」こと間直瀬玄蕃は縁側でその謎に挑む。二人の珍妙な問答の末、明かされる意外な真相とは?レトロでモダンで猟奇な時代の風俗を背景に、罠と論理が冴え渡る探偵小説の真骨頂。

著者等紹介

物集高音[モズメタカネ]
1964年生。散文家
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

はらぺこ

46
語り口が講談師やサイレント映画の活動弁士の語りの様で初めての感覚でした。解説を読むと「落語、講談の速記本を思わせる語りのスタイル」と書いてあったので珍しくはないみたいです。自分は慣れるのに時間が掛かりましたし辞書は手放せませんでした。自分が使ってるチャチな辞書には載ってない言葉があったので雰囲気だけで読んだ部分もあります。 好きなのは『橋ヲ墜セル小サ子』。 続編があるみたいなので読んでみたい。2012/03/21

しろ

12
☆5 これはなかなかに唯一のミステリ小説だと思う。連作短編ミステリで、舞台となる近代日本の雰囲気をうまく取り入れていて京極夏彦とはまた違ったレトロでモダンなねばっこさをだしているのも特徴的だが、なんといってもこの語りよう。謡うように独特で講談のような(らしい)地の文となっている。これには賛否あると思うが――実際読みづらくはある――しっかりと味わうように読みたい文章であると思う。ミステリとしても、ふっきれた大げさな感じで雰囲気にマッチしていた。2013/02/13

おくりゆう

6
講談のようなスタイルで明治に実際に起きた事件、実在の人物を元にした怪談めいた事件が語られる、癖のある独特な連作短編ミステリ。本安楽椅子探偵を務める玄翁先生の推理は作中の言葉を借りると「簡にして略、しごくつづまやか」。ワトソン役のちょろ万もいい味出してます。2013/06/16

OHta

4
冒頭1ページ。目に飛び込んでくる異質すぎる筆致に面食らい、著者は散文家ということで納得。しかし異質であることに変わりなく、こりゃ読むのに手こずりそうだ、と感じましたが意外や意外、いったんリズムに乗るとスラスラ読めます。昭和初期の不安定な東京にて、学生の阿閉君が持ち込んでくる奇々怪々な謎を、玄翁先生が安楽椅子探偵よろしく館の縁側にて解明する!といった連作短篇集。おどろおどろしい事件と長閑な縁側という対照的な取り合わせの妙が巧い。そして終章に待つあの幕引き。これはなんとしても続篇を読まなくては。2016/06/13

1
読んでタイトルのごとく、七つの事件からなる探偵小説連作短編集。舞台は昭和初期の東京。といっても、同じ時代(昭和初期)の事件に首を突っ込んだり、過去(明治)の事件を調べ直したりで、あっちこっちへ年代が飛びますから慣れないうちは面食らわされるのであります。擬古文といいましょうか、講談・活弁調といいましょうか、昔の時代小説みたいな文体は雰囲気作りには貢献するものの、現代の読者にとっては意味を判断しかねるいいまわしや単語の連発でして、いちいち考えず、雰囲気だと割り切ってリズム感で読み切るのがおそらく吉。星3つ。2021/09/09

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