出版社内容情報
「立つ」か「立たない」か …
こいつは危ないアートだ
北野 武
〈眼前にむごたらしいほど薄汚い中年女の肉体が屹立していた。それはおぞましい光景だった。納豆を食べ終わったあとのご飯茶碗のようなぬめりがてらてら光っていた〉。家出少年イクオの、新宿歌舞伎町でのヒモ修行、浮浪者生活。性の遍歴、魂の彷徨 ……。芥川賞受賞の鬼才がジャンルを越えて世に問う畢生(ひつせい)のビルドゥングス・ロマンの超問題作!
内容説明
“眼前にむごたらしいほど薄汚い中年女の肉体が屹立していた。それはおぞましい光景だった。納豆を食べ終わったあとのご飯茶碗のようなぬめりがてらてら光っていた”。家出少年イクオの、新宿歌舞伎町でのヒモ修行、浮浪者生活。性の遍歴、魂の彷徨…。芥川賞受賞の鬼才がジャンルを超えて世に問う畢生のビルドゥングス・ロマンの超問題作。
著者等紹介
花村万月[ハナムラマンゲツ]
1955年、東京生まれ。中学卒業後、職業を転々としながら全国を放浪。89年、『ゴッド・ブレイス物語』で第2回小説すばる新人賞受賞。以後、数々の問題作を発表する。98年、『皆月』で第19回吉川英治文学新人賞受賞。本書『ぢん・ぢん・ぢん』は『鬱』(山本周五郎賞候補)に続いて発表した問題作。98年、『ゲルマニウムの夜』で第119回芥川賞受賞
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
マッピー
12
本当に読み進めるのが辛い読書でした。ほぼほぼ性と暴力の描写。550ページ弱、何度投げ出そうと思ったことか。だけど、一度手に取った本は、最後まで読まないと次に進めない性格なんだよなあ。上ってことは下もあるってことだよね。(まさか中はないだろうな!?)ああ、憂鬱だ。2020/07/13
ウメ
7
悲しい時に笑い、つらい時にはしゃぐ。寂しさとは、気持ちと正反対の態度をとらなければならないときに生じる切なさのこと。一人の時よりも誰かと一緒にいる時に寂しさを感じるというのは、こういうことだったのか。2005/06/19
せいなかいじゅう
6
何故か下巻が表示されないので、こちらに感想を投稿。怖かった...まさかの展開。ちょっと下半身に意識を集中させた青春群像劇のつもりで読んでたら...ホラーだった。 以下ネタバレ↓ 美容整形を受ける則江。商売けの無い医師を信頼し全身整形を受ける。トータル費用1500万円。しかし、それは今では考えられない、20年以上昔の技法。医師は姿を消す。額のシリコンがずれ、殆んど瞼が塞がった状態でイクオを呼び出し、執拗に刺し、殺害。2015/08/18
ごる
5
暴力とセックス描写がほとんどなのだけど、無駄に下品じゃない。ように思う。ヒモを目指すイクオの成長記…なのか?それとも堕落なのか。うーむしかし、暴力とセックスばっかな印象でヘドがでそうだった限りなく透明に近いブルーと比べて、何が違うのだろう…読み手の問題だな。感受性が鈍ったか、清濁併せ呑む男になったのか。まあ、久しぶりに読めた本。これから読むぞー!2011/07/05
犬を飼っています。
2
ぢんぢん来た。2018/10/18
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