内容説明
戦国切っての名将・黒田官兵衛。しかし彼の居城姫路は、西の毛利と東の織田に挾まれ、そのいずれかの配下に就くほか術はなかった。戦国時代を生き抜くために、彼が下した決断とは…?単なる軍事参謀であるにとどまらず、時代の潮流を鋭く把握し、その才ゆえに秀吉、家康がもっとも恐れた男・大軍師黒田官兵衛を描く歴史長編。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
BIN
5
東軍びいきに書かれた黒田官兵衛ものという印象。序盤はオリジナルというべきか軍略をもって寡兵で大軍を何度も打ち破っている。豊臣秀吉が小信長という感じで残虐な行為をしているという点でこれだけ悪く書かれてるのも珍しいような気もする。豊臣秀長を改名前の長秀というのがなかなかマニアック。朝鮮出兵では小西行長を猪突猛進のおバカさんのように書かれており、対して加藤清正についてはスルーなので、かなり東軍びいき。竹中半兵衛から軍師の生き方を学び取ってる姿は良かった。1冊でさらっと読みやすい黒田官兵衛ものでした。2018/12/19
自然堂
1
面白い。純粋に小説としての密度が濃いのでかなりの満足感があった。但し、官兵衛以外の武将を必要以上に無能に書き過ぎている嫌いがある。特に信長や秀吉は酷い。残虐な一面や狡く卑しい部分を描写する分には何も文句はないのだが、有能な部分をまったく描写せず単なる勘兵衛の引き立て役になっている。常に天下の趨勢を決める完全無欠な軍師として官兵衛を描くにあたって、絶対君主とのせめぎ合いで小説としてのスリリングな起伏を演出しているのかなーと思っていたが、(長くなるのでコメ欄へ続く)2014/02/09
まさ
1
官兵衛・・・ なんて素晴らしきお方なんでしょうか。この人にならどこまででもついて行けると思いました。反面、信長、秀吉ときたら。。。そんな上司に大いに疑問を感じながらも忠実に役目を果たす官兵衛。まさに官兵衛あってこその天下統一でありました。2012/02/07
エリ
0
官兵衛の一生が細かく描かれているが、割とあっさりと進む。山場はいくつかあるが、あまりピークが高くなく、人によっては面白みに欠けるかもしれない。一般的な歴史読み物、といったところ。しかし、この官兵衛は半兵衛に凄く影響されている。彼らの以心伝心が素晴らしい。2011/03/20