内容説明
時は明治初頭、文明開化で浮かれる世相を尻目に、奈良県吉野の山村で二人の女児が“神隠し”にあった。直後、数人の子供たちが井光の泉の近くで生首を抱えた鬼を目撃したという。村の架橋工事の監査役として派遣された内務省の立花は、村に伝わる“鬼明神”伝説を知り、やがて逃れられぬ悪夢に足を踏み入れてゆく…。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Porco
9
さらっと読むにはちょうど良い中編作。平家の落人,鬼,神事,山村と非常に伝奇ホラーらしい要素の盛り合わせの作品で、話の展開も良くも悪くも期待通りの一作2023/09/30
No.7
3
映像作品ノベライズ苦行月間が終わり、自分へのご褒美に伝記ホラー、さらに初の藤木禀。ちょうど良い長さを謳っておられました が、もう少し長くしても良かったと思います。雰囲気が良くて読みやすかったです。2019/09/19
きよみオレンジ
1
朱雀十五の曽祖父が出てきたが、殺されてしまった。「鬼」は出てこない。鬼になった人間が起こす昔ながらの信仰。村全体でやった事を鬼のせいにするなんて、人間って恐いなあ2017/11/25
ノラ
0
図書館本。初の藤木作品。書き下ろしだけに勢い良くざざっと読める。なかなかに好みのテイストだった。2017/07/17
みっくん
0
特にミステリーは意識していないのか、トリックはないです。ラストもだいたい分かる。読後感はすっきりしませんが、この時代には、こういった出来事が多かったのかもしれません。「朱雀」が出てくるのは、単なるリップサービスのような気がする。あまり意味なかった。2017/06/13