内容説明
「わたしが欲しいのね」女は躊躇もせずに身をのりだし、ひらいた手をまっすぐ彼の股間にのばした。女の肉体は、暖かくて柔らかで、激しく息づいている…出張先で出会った美女と悦楽に耽る男がたどる奇想天外な運命とは?(「変身」より)官能と恐怖に彩られたホラーファン待望の傑作アンソロジー、ついに登場。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ニミッツクラス
11
00年の税抜667円の初版。祥伝社文庫のエロホラーアンソ初巻。米本国89年からHot Bloodとその比較・最上級を冠した三部作が刊行され、評判が良くてそのあと7冊続いた怪アンソ。初巻底本には24編収録で、邦訳版の本書では12編を収録して残りは割愛した。本邦初訳7編、初書籍化3編(初出はSFMとHMM)と新訳2編。現在では特段エロを強調する内容でもないが、映画やコミック原作で活躍した作家が多くて若い読者に読んで欲しい。ガートンの「お仕置き」はホラーと言うより宗教的性抑圧と性癖の葛藤ドラマ。★★★★☆☆2019/09/06
HANA
10
エロとホラーの融合。というか二作目に比べれば血の量は少ないかな、エロさはこっちが上のような気がするけど。マシスンの「わが心のジュリー」とクリスチャン・マシスンの「サディスト」は結末でひっくり返す辺り親子だな、と思ったり「魔羅」でマキャモンの意外な一面を見たり、なかなか豊かな内容であった。ただ一番気に入ったのは「お仕置き」という所が自分でも問題だと思う。2010/07/21
5〇5
7
あらもう、エロティックねぇ。なにしろ「アーン♡」が、いきなり「アーン♡」なんだもの。思わず「アーン♡」も、「アーン♡」しちゃうわよう。ほかにも「アーン♡」が「アーン♡」で、「アーン♡」なのね。これには、もう興奮しちゃった。でも、どの作品もしっかりホラーしてたわよう。 あらっ、ごめんなさい。自主規制音が入っちゃったわね。2022/02/14
さや
6
海外エロホラー小説アンソロジー。いろんな作家が書いているはずなのにやたらとかぶってくる要素を見つけると、これは海外ホラーのお約束展開みたいなものなんだろうかと思ったり。ブードゥーの秘術しかり、吸血鬼しかり。でもそれぞれにちゃんと個性あって面白でした。『イーディス伯母の秘術』の呑気なオチが好きかも。 個人的なことながら、最近デザフェスで手に入れた『エロ本ですが何か?』と表面に大きく書かれたブックカバーを使っていたので、マジにエロ本に掛けるのはなんか違うな、と読みながら感じた。2014/06/03
topo
5
官能とホラーの親和性の高さを存分に味わえる12編。 マシスン親子目当てだったけど全部面白い。 ホラーを突き抜けるとユーモアに変容するのだなと、作中当事者には申し訳なくも笑ってしまうお話が幾つか。 美に囚われたら最期…という好みの設定の物語もあり満足。 ある種の館ものウィルスン『三角関係』、男性の願いが大惨事!なマキャモン『魔羅』、オチが怖いマシスン息子『サディスト』、現代に生きる吸血鬼のエリスン『跫音』がお気に入り。2023/04/09
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