内容説明
山形の立石寺(山寺)には、奇妙な風習があった。結婚せず、若くして逝った男性のために、せめてあの世で結ばれてほしいとの思いを込めて花嫁人形を奉納する“人形婚”である。が、この風習誕生の陰には、“身間仮り一族”と呼ばれ、結婚適齢期になると、亡き男のために、死して花嫁となるべき宿命を負った人たちがいるという…。女子大生小室美奈子は、山形出身の白紙月子の勧めで立石寺へと旅立ったが、それが奇怪な事件の始まりだった…。東北を舞台に放つ渾身の伝奇推理。
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- 和書
- 三島由紀夫 新文芸読本