内容説明
全ては、1794年に「腕木通信」が誕生したのが始まりだった。それから250年後の2045年、コンピュータの能力は人間を超え、私たちの生活は激変するといわれる。情報技術の変遷を、意外なエピソード満載で楽しくたどる。
目次
プロローグ 生態史観から見る情報技術
第1章 腕木通信が空を駆ける―近代的情報技術の幕開け
第2章 電気を使ったコミュニケーション
第3章 音声がケーブルを伝わる
第4章 電波に声をのせる
第5章 テレビ放送時代の到来
第6章 コンピュータの誕生
第7章 地球を覆う神経網
第8章 IoE、ビッグデータ、そしてAI
エピローグ 「超」相克の時代を迎えて
著者等紹介
中野明[ナカノアキラ]
ノンフィクション作家。1962年、滋賀県生まれ。同志社大学理工学部情報システムデザイン学科非常勤講師。歴史・経済経営・情報の三分野で幅広く執筆する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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vinlandmbit
35
技術士(電気電子部門)の専門:情報通信の勉強を進める上でも、非常学び多く、かつ、単純に腕木通信から始まる通信、ハードウェア、ソフトウェア、そしてIoT/データ/AIの歴史の様々なバトンが引き継がれてきた流れを楽しむ事が出来た一冊でした。改めて、ITと、一見して狭く感じてしまうものの改めて考えると幅広い技術領域の250年の歴史を総ざらいできるのでおすすめです。2022/03/23
yutaro sata
28
あんまりITに詳しくない私のような人間が読んでも、今のインターネットやAI全盛の時代に向けて、ITの歴史がどんな歩みをしてきたのかがよく分かる構成になっている。デジタル的な技術とアナログ的な技術が交互に台頭し、過去の技術的蓄積を踏まえて今の技術に繋がっていることが分かる。物事が進歩することには正負の側面があって、その矛盾をどう解消するか、というテーマは、今後より複雑で、難しくなった課題にぶつかり続けることになるだろう。2023/06/19
はふ
13
IT技術の始まりはいつかと問われれば、一番最適な答えは1794年に生まれた「腕木通信」だろう。今から約200年前から登場したIT技術から、現在用いられているIT技術は、一つの線で繋げられるように進化を遂げている。そのようなIT技術の進化の仕方を、生態的に捉えて、分析したのが本書である。本書でいうIT技術とは、主に通信技術のことを指しており、通信の仕方の変化、その歴史を考察することに重きを置いている。 IT技術の進化の歴史を学ぶことで、今後のIT技術の進化の仕方の傾向が掴めるようになる。2022/02/18
タケゾウ
2
ITの歴史は、「正と負の相克の歴史」とも言える。 新しい技術は「利便性」という正の効果をもたらす半面、 「犯罪への悪用」等、負の効果ももたらす。 本文で「社会や文明の進歩を凍結させるという事は、時間を止めようとしていることで不可能である」と述べている通り、負の側面があるからといって、技術・文明の進歩の歩みを止めるということは現実的でない。ITの歴史は如何にして、新しい技術がもたらす、「正と負の相克の問題」と向き合うかのヒントを与えてくれる。2023/11/24
KW
0
自分がつくづくテクノロジーの原理に興味がなく、ストーリーに興味があると気づかせてくれた本。 テクノロジーは種を産んだ人が必ずしも広げられるわけではない。また広がるときは社会インパクトのあるお披露目、または事件がある。 タイタニック号事件が無線システムの広がりにつながったことなど驚き。2024/09/04