内容説明
日本史上「最大の愚挙」を解き明かす!元外務省国際情報局長が解読した歴史の真相!ベストセラー待望の文庫化!
目次
序章 なぜ今、真珠湾への道を振り返るのか
第1章 真珠湾攻撃を始めたかったのは、誰なのか?
第2章 真珠湾攻撃への一五九日間
第3章 真珠湾への道は日露戦争での“勝利”から始まっています
第4章 進みはじめた真珠湾への道―日露戦争後から柳条湖事件直前まで
著者等紹介
孫崎享[マゴサキウケル]
1943年生まれ。1966年、東京大学法学部を中退し外務省に入省。国際情報局長、駐イラン大使を歴任。2009年まで防衛大学校教授。現在、東アジア共同体研究所長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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鯖
15
当時の人々の発言を多岐に取り上げ、真珠湾攻撃という選択に至った過程を追う本。流れとして知ってることの間を、政治家、軍人、文学者といった人々の発言で埋めてく感じ。「負けますな。アメリカは一万円の現金を以て一万円の買い物をするわけですが、日本は百円しかないのに一万円の買い物をしようとするんですから」「支那事変で二十万人も死者を出した。だから撤兵できない」「だまされたといって平気でいられる国民なら、おそらく今後も何度でもだまされるだろう」2020/04/19
sekkey
3
日露戦争が始まった頃から満州の処理をめぐってすでに太平洋戦争、真珠湾攻撃へ動き出していた。アメリカは日本に戦争を始めさせるための「仕掛け」を着々と準備していた。それに気づいていたのかいなかったのか、情報戦や戦略面で明らかに劣勢だった日本。軍部や外務省の対応の稚拙さも恥ずかしさを超えている。2021/01/30
てっちゃん
2
日米開戦への政治家、官僚、軍人、財界人の立ち位置が良く分かって面白い。吉田茂は、決して反軍だったのではなかったんだね。2019/08/06
トロ05
1
元外交官だった孫崎氏が真珠湾攻撃の失敗を現在繰り返さないために色んな資料を読みながら考証。満州鉄道は民間企業でありながら統治機関でもあった、日露戦争に勝って認められた権益は僅かだった、日露戦争後の国債返済と軍事費が国家予算の6割を占め国民の不満が高まり陸軍の暴走を許してしまったことを初めて知りました。一方、西洋植民地政策からアジアを解放する記述は全くなく本当はどうだったのだろうとの疑問が残りました。2020/07/26
JUSA
0
資料に基づいてその時代のそれぞれの人たちがどのように選択し行動した結果がこうなった、を記載していきます。結果が分かっている未来の人からしてみればなんで、となるでしょうが、その時のその人は最適解だと思っていたのでしょう。ただ、時々入る現代への警鐘から、著者も自分の思っている方向へ解釈を曲げている感があり、残念です。分析だけに留めておけば良かったのに。2019/12/13