内容説明
光源氏が世を去って後、六、七年が過ぎた。女三の宮腹の若君・薫は、自らの出生の秘密に悩む。薫君、匂宮を中心に、物語は傑作「宇治十帖」へ―。薫十四歳から二十四歳まで。
著者等紹介
林望[ハヤシノゾム]
1949年東京生。作家・国文学者。慶應義塾大学文学部卒、同大学院博士課程単位取得満期退学(国文学専攻)。ケンブリッジ大学客員教授、東京藝術大学助教授等を歴任。『イギリスはおいしい』(平凡社・文春文庫)で91年に日本エッセイスト・クラブ賞、『ケンブリッジ大学所蔵和漢古書総合目録』(P.コーニツキと共著、ケンブリッジ大学出版)で92年に国際交流奨励賞、『林望のイギリス観察辞典』(平凡社)で93年に講談社エッセイ賞、『謹訳 源氏物語』全十巻(祥伝社)で2013年に毎日出版文化賞特別賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
きゃれら
21
いよいよ、宇治十帖。源氏が完璧すぎてやな奴だったのに対し、夕霧はちょっと好感持てそう、さらに薫はその不器用さが身につまされる。また、好きになったのが大君というおっそろしく厄介なキャラ。周りや読者・僕の心配の通りの展開にハマっていく物語だ。親の八の宮の呪いの結果だが、薫も似たようなものだから自業自得?紫式部さんの筆力は、他に手本となるような作品がなかったことを思うと凄すぎる。なぜ主人公の源氏が儚くなった後まで物語が続くのかと長年思っていたが、レベルアップしたお話だった。さてこの後どう続いていくのか。2024/04/29
てらこ
15
匂兵部卿から総角まで。いよいよ第三部、源氏の孫・匂宮と、源氏の息子(本当は違う)・薫の2人を中心とした物語へ。 風流人で女好きの匂宮と、自らの出自に疑問を感じて世の中を諦観している薫、という正反対のキャラが面白い。とくに薫は女性に対しても冷めており、入れ込むでも冷たくするでもない絶妙な距離感で、口説かれた女の方が「辛いけど好き…!」状態になってしまうという天然魔性男。しかも体臭がめちゃくちゃいい匂いらしい。そんな薫が恋に悩む姿に萌えます。2020/02/03
たかしくん。
14
ここから後編スタート。始まりは、源氏の死後の後日談っぽい話が続き、あまり面白くもなかったのですが、薫と匂宮の二人の主役の輪郭が見えてきた辺りから、面白くなってきました。源氏の、教養深さを引き継いだ薫の陰キャラと、女好きを引き継いだ匂宮の陽キャラで分けられ、親友でもありライバルでもあるその二人が、宇治の八の宮の娘姉妹にあれこれ手を出し始める。やはり、源氏物語はこういった男女の色恋ものの積み重ねがウリのお話なんですねー(笑)。薫に迫られながら、ずっと断り続けた姉大君の死で、本巻はいったん終息。2023/09/09
おとん707
12
前巻最後の帖で本文のない「雲隠」で源氏の死が暗示されていたがやはりそうだった。本巻最初の「匂兵部卿」は源氏の死後何年も経って始まる。いきなりの展開に惑わされたが「宇治十帖」の最初「橋姫」から俄然面白くなってきた。東宮へとの声望もあった八の宮が零落の末宇治で亡くなり後ろ盾もないふたりの姫に薫と匂宮が夫々思いを寄せるが身分ある身での都から田舎への通いは思うに任せず気持ちはすれ違うばかり。加えて匂宮の母明石中宮の干渉もきつい。あの可憐な少女だった明石中宮がなんと力を持ったことか。匂宮と妹姫の今後を見守りたい。2023/01/08
LUNE MER
9
匂宮が母后に「夕霧の姫六の君を正妻とし、宇治の中君は女房などの形で側におけばよい」と説得されるシーン、進路を決める際に「卒業後の就職に不利になるから数学を専攻にせずに物理に進むべし。物理に進めば"道具"として数学は勉強できるから。」と物理教師に説得された記憶が蘇った。ちなみにその発言に虫唾の走るのを感じた私は卒業まで授業中も無視し、数学を専攻する道を選択。(そして現在、研究者ではないが数学の素養を前提とするある専門職で食っている。)2020/03/09
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