内容説明
フランス大統領の仕事場であり生活の場でもあるエリゼ宮。歴代の住人には、ルイ15世の愛人ポンパドール夫人や皇帝ナポレオンも名を連ね、大統領府となる以前からフランスの権力争いの中心だったことがうかがえる。愛人を連れての入居、暗殺、白血病で死の数日前まで閣議など歴代大統領の逸話も劇的だ。フランスの歴史がよくわかり、同時にフランス人の生態をも浮き彫りにしてくれる稀稼有な1冊。
目次
第1章 エリゼ宮の誕生(権限移譲式;「ジュピター」か「ガキ大将」か ほか)
第2章 各部屋に遣る歴史の面影―革命から帝政へ(雄鶏館の管理人;隠し子事件 ほか)
第3章 王政復古から共和制へ(ルイ18世の王政復古;ベリー公暗殺 ほか)
第4章 共和制の確立―第三共和制から第五共和制(偶然と国家の大事;生粋の軍人大統領 ほか)
著者等紹介
山口昌子[ヤマグチショウコ]
元産経新聞パリ支局長。慶應義塾大学文学部仏文科卒業後、フランス政府給費留学生として新聞中央研究所(CFJ)に学ぶ。産経新聞入社後、教養部、夕刊フジ、特集部編集委員などを経て、1990年よりパリ支局長に。1994年にボーン・上田記念国際記者賞を受賞、2001年にフランス共和国より国家功労勲章シュヴァリエ、2010年に同章オフィシエをそれぞれ受章。2013年、レジオン・ドヌール勲章シュヴァリエを受章。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ジュンジュン
12
現在大統領府となったエリゼ宮から、フランス近代史を見つめる。元がコラムだからか、細かい章立てで読み易い。第三共和制のくだりは知らないことが多く、楽しめた。2022/09/23
たろーたん
1
フランス大統領の女性遍歴が面白かった。サルコジは、当選直後からセシリア・アティヤスの機嫌取りでマルタ島でバカンスをしたため真っ黒に日焼けしていた。そんな「セシリア命」のサルコジだが(ちなみに、二人が知り合った時はどちらも既婚であり不倫、双方とも子供が二人いた)、エリゼ宮でセシリアと離婚し、スーパーモデルでミュージシャンのカーラ・ブルニと2008年に電撃結婚。エリゼ宮で離婚、結婚をした初の大統領になった(ちなみに、セシリアは恋の相手を追って米国に子供ルイを連れて移住)。(続)2023/11/21
bittersweet symphony
1
第三共和政以降の大統領列伝では読む人が極端に減ってしまうため、エリゼ宮が偶然にも大統領府であることを利用して読者が食いつきそうな近代史ネタ(アントワネット、ナポレオン等々)を捻じ込んだのが著者自身なのか編集者なのかは分かりません。本当ならたとえばポール・ドゥメールのような日本ではあまり知られていない人物にもっとスポットライトが当てられるべきではなかったかと思います。2019/03/24
ゆきまさくん
1
ポンパドゥール夫人から現大統領のマクロンまで、300年のエリザ宮をめぐる歴史ドラマを綴る。エリゼ宮級の住人の変遷を通して、王制、革命、共和制、帝政などフランスの政治体制を理解できる。読みやすく、なかなかおもしろかった。2018/09/24
さく
0
読み応えがなかった。第三共和制から王政復古への移行がうまくいかず、共和制に戻るか否かの採決で遅刻した議員がいたという話、面白いなと思ったけど、どこから持ってきた話なのだろう。手許の歴史書やネットで調べてもわからなかった。2021/10/01
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