内容説明
御本尊十一面千手観音や秘仏たち、清水寺参詣曼茶羅、舞台や音羽の滝、清水寺の七不思議など、学芸員の著者だから書ける清水寺の魅力と秘密が明かされる。
目次
清水寺はなぜこの地に開かれたのか
「清水寺の舞台」はいつ、何のために造られたのか
清水寺はなぜ何度も焼けたのか
潰れかけた清水寺
清水寺参詣曼荼羅の不思議
観音様とは、どんな仏様
古典、軍記物、お伽草子、芸能…、清水寺はどこにでも
音羽の滝はなぜ三筋?その御利益は?
庶民信仰の寺清水寺は大絵馬の宝庫
月照・信海の兄弟、安政の大獄で非命に倒れる
願文、禁制に見る歴史の痕跡
俗説清水の七不思議
清水寺堂塔の今
著者等紹介
加藤眞吾[カトウシンゴ]
1942年福岡県北九州市生まれ。京都新聞記者を経て、清水寺学芸員。布教誌『清水』の執筆、編集、発行をてがけている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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chang_ume
8
清水寺学芸員の描く『清水寺史』の便概といったところか。内容は意外にも専門的です。応仁の乱後、勧進僧「願阿弥」による伽藍復興、そして願阿弥の系譜を引く事務方「成就院」とその他境内寺院との確執を描きつつ、幕末明治の伽藍衰微が描かれる。近代国家の神道国教化政策は清水寺を直撃し、境内の大半を失いながら、なんとか復興の道筋をつけていく。この過程で未完に終わった「伽藍再配置計画」も紹介されています(子安塔移転のみに終わる)。清水寺の近代史とは、そのまま伽藍復興の歩みでもあったのだ。中興の祖「良慶」の存在が光る。2019/12/07