内容説明
あの日、あの砂漠の国の仁義なき空爆の下で何が起こっていたのか!?命がけなのに思わず笑ってしまう、死んでもカメラを離さない男・宮嶋のバグダッド取材記。
目次
1 アンマンで悶々―ワシにもビザを出さんかい!
2 裏切りの町―信じる者は捨てられる
3 ビザ商人イブラヒム―報道ビザ売買の闇ルート
4 イラク国境を突破す!―呉越同舟、一蓮托生
5 イラク戦争犠牲者第一号―運ちゃんの兄が殺されている!
6 大統領宮殿、炎上す!―三月二十一日、バグダッド大空襲
7 チグリス河畔の狂気―カラシニコフを乱射する民衆
8 偽造ビザ入国者―上官・橋田信介氏、現わる
9 ようこそ、赤い地獄へ―血とハムシーンと狂気の世界
10 仁義なき空爆―会見中をドカンと一発!
著者等紹介
宮嶋茂樹[ミヤジマシゲキ]
1961年、兵庫県生まれ。日本大学芸術学部写真学科卒業。写真誌「FRIDAY」を経て、フリーカメラマンとなる。国内外の「危険地帯」に足を踏み入れスクープ写真を連発。その体験を描く迫真のノンフィクションが支持を得ている。2010年、日本大学芸術学部が、著しく学部の名声を高めたOBに贈る『日藝賞』を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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スー
21
相変わらずの下品さと軽妙な語り口で面白可笑しく読めますが、実際はかなり危険で恐ろしい体験をしているのだと合間にのっている写真で分かり、もし自分がこの光景を目の当たりにしたらと思うとゾッとします。イラク入国にすったもんだし、ようやく入国すると直ぐに運ちゃんの兄が誤爆で瓦礫の下敷きになり死亡、その写真はとても痛ましい。それからエグい写真がちらほら、指が3本残った手首、死体安置所、負傷し目が虚ろな少女そして山本美香さんの本にもあった市場の誤爆現場戦争の残酷さを嫌と言う程感じました。上巻ではホテルを転々とし、遂に2018/08/29
CTC
9
10年祥伝社黄金文庫、単行本は07年同社。03年のイラク戦争について。当時テレ朝の中継でレポートする著者を見て、不肖・宮嶋氏も遂に活動をTVに!と思ったものだが、フリーの身で、機材やらの便宜を受けるバーターだった訳ですな。イラク入国はなんと開戦(空爆開始)当日。上巻は入国に至るビザ入手迄に紙幅の過半を費やす。戦地取材となれば、プレスビザ取得が望ましい訳だが…簡単には発給されないのですね。“人間の盾”の方々にはどしどし発給されたようで、それを騙るか、観光ビザ、“義勇兵ビザ”、偽造ビザ、という選択肢があり…。2017/03/30
臓物ちゃん
5
今まさに世界史が変わらんとする2003年空爆下のイラクを激写するべく、『戦慄怪奇ファイル コワすぎ!』の工藤Dみたいなキャラの著者が偽造ビザを手に入れた!アラブ人アブラ無ければアブラ虫、とか何食ったらそんな悪口思いつけるんだ?ってレベルの悪態をつきながら「戦時下だからバレないバレない」の精神で火事場泥棒だらけの砂漠をネタを求めて飛び回るメチャクチャな軍事ノンフィクション。バカスカ戦争してるってのに「珍道中」としか言いようがない展開ばかりなのが『気分はもう戦争』を思い出すというか。なんとも下品なまま下巻へ。2021/02/28
すうさん
2
本モノの戦争写真家。庶民感覚で戦争を写真以外にも言葉で伝えてくれる。表現が劣悪で下品なものもあり、下衆な週刊誌を読んでいるみたいだが、そこが面白い。正真正銘戦地の中で、命をかけて取材をしているのだ。冷静に読むと日常のすべてが恐怖に満ちていることが分かる。一般の人間が「大本営発表」ではない戦争の実態を知るのは、彼らのおかげである。彼はまさに一般の人間の目線で写真を撮り本を書く。大手マスコミの話ではなく、人間の「生の声」を知ってほしい。上巻では、戦争のこわさというよりも、人間の欲望、国家の横柄さが読み取れた。2016/06/25
キミ兄
2
バグダッド陥落時の取材記。米軍の攻勢下のバグダッドの様子など、佐藤譲の「自壊する帝国」に匹敵。☆☆☆☆☆。2010/08/01
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