内容説明
十代の男の子が主人公となる、『アンネの日記』少年版―。本書は希有のドキュメントであり、感動の手記である。『アンネの日記』と異なるのは少年がホロコーストの暴風をかいくぐって生き残り、解放の喜びを味わう点で、それだけに読後感は明るい。そのうえ、日本の読者にとって心うれしいふたつの証言が、当事者である少年の口からビビッドに語られている。危機に直面したユダヤ人に救いの手をさしのべた勇気ある日本人外交官・杉原千畝の存在、そして死の瀬戸際にあったユダヤ人を収容所から解放した、心優しい同胞兵士たちの活躍である。
目次
第1章 日系人部隊の隠された戦功
第2章 杉原千畝との出会いと別れ
第3章 必死の逃避行
第4章 スラボトケ・ゲットー
第5章 右か左か、生と死の大選別
第6章 ゲットー解体
第7章 奴隷労働への道
第8章 生きている歓び
第9章 すばらしき解放者
著者等紹介
ガノール,ソリー[ガノール,ソリー][Ganor,Solly]
1928年、リトアニア生まれ。ナチ迫害下の少年時代に、日本領事代理杉原千畝に出会い、親交を重ねる。ダッハウ強制収容所の死の行進から、米日系人部隊に救出される。現在イスラエルとアメリカで暮らす
大谷堅志郎[オオタニケンシロウ]
翻訳家。1935年生まれ。東京大学卒業後、NHK入社。教養番組プロデューサーを経てNHK放送文化研究所主任研究員に。欧州放送事情などの論文多数
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