内容説明
本書は「なぜ」を解きつつ日本民族の始源にまで遡る。
目次
第1章 藤原一族が平安京に君臨した秘密
第2章 平安遷都は、なぜ行なわれたのか
第3章 権謀術数、大陰謀渦巻く奈良の都
第4章 古代神話が語りかける歴史の真実
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
新父帰る
4
田舎貴族(鹿島の豪族)・藤原氏の繁栄を著者は大胆な推理に基づいて陰謀論を展開。ここまで計算し尽くしていたのかと驚天動地の思い。しかし、読んでいて面白い。陰謀論は随所に見られる。道鏡は悪僧ではない等は、そのいい例だ。『魏志倭人伝』は三等資料だとしてばっさり切り捨て、著者自身は邪馬台国大和説の可能性を指摘。古代大和平野に巨大な湖・大和湖が存在していたことも初めて知った。本書全体に貫く著者の姿勢は、歴史を生き生きした生き物として描こうとする、並々ならぬエネルギーを感じることが出来た。刺激的な書だ。2018/07/13
脳疣沼
3
歴史の流れをできる限り合理的に考えれば、本書のようなストーリーを導くことも可能なのだろう。藤原一族の陰謀は面白いが、しかし、あまりにも壮大である。まあ面白ければいいか。最終章は面白く、日本は元来は多民族国家のようなものなのだから、もっと国際化した方がいいと言う。この本が出版された時よりも、内向きになっている昨今だが、歴史を振り返れば、日本はもしかすると移民政策が上手くいく土壌のある国なのかもしれない。もちろん、その変化は著者の言うように”徐々に”そして”緩やかな”ものでなければならないが。2014/10/31
恵
2
結果から原因を語ると、都合良すぎる解釈になってしまう。この巻の藤原氏繁栄の深謀なんて、結果論もいいところ。2010/08/16
flying jellyfish
2
今回の巻は義務教育の歴史では恐らく永遠に教わらないだろう内容で満載である。例えば、平安貴族の中にディルドーを使用していた者がいた事や、夜の小大便は室内の片隅で済ませていたからお屋敷は大変臭かった事など。下世話な、と思ってしまうが、あくまで彼らは平安時代に生きていた「人」なのである。みやびなイメージは後世が歴史を遠く理想化させてしまった面もあるのだ。「歴史は人間である」と塩野七生は学生時代に言い切ったらしいが、本書はまさにそれ感じさせてくれる。2010/05/16
JxDxAxBxC
2
武家政権が公に成立した鎌倉から日本人の由来までを表した内容。「歴史は未来のためにあるのであって過去の事柄を知ることではない。-なぜを問い質していき、その根本の原因を探り当てることによって、現在から未来に向かって生きていく際の羅針盤とする」著者の名言。2010/05/10
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