内容説明
南アルプスの山間へ地質調査に出かけた元大学教授杉尾が失踪した。直後、彼が持つ平家伝来の刀が知らぬ間にTV番組に出品され贋物と鑑定されていたことが判明。しかもその贋物を欲しがる男まで出現した。不可解な出来事の連続に不安を抱く、杉尾の孫紗希子。その時、鞍馬から祖父の車発見の報が届く。静岡‐長野県境に向かったはずがなぜ京都に?宮之原警部は捜査を開始するが、やがて日本最大級の断層、中央構造線の走る土地で杉尾の他殺体が!怪しげな女占い師、原発利権も浮上し、事件は混迷してゆく…。
著者等紹介
木谷恭介[コタニキョウスケ]
私立甲陽学園卒業後、浅草の劇団「新風俗」などを経て「小沢昭一的こころ」の台本も執筆。昭和52年、「俺が拾った吉野太夫」で小説CLUB新人賞を受賞し、本格的作家活動に入る。58年『赤い霧の殺人行』から旅情ミステリーの執筆に専念し、多くの読者の支持を得る。昭和2年、大阪生まれ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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pyonko
2
地震、原発、占い師と当時タイムリーなネタをうまくミックスしているとは思う。何となしに手に取ったこれが最終巻だったそうで。また時間があれば読んでみたい。2014/06/25
はる
2
久々に読んだ木谷恭介。85歳の年齢を感じさせない。 王道刑事物の推理小説。2012/09/29
紅茶派
0
著作番号133番。木谷さんがあとがきの追伸を書いたのが、8月で、のこされた何か月か、と書いていますが、12月に亡くなったんですね。85歳かあ、大したもんだなあ。これが私にとっては、131冊目なので、推理小説に関しては、読んでいないのはたぶんあと一冊のはずです。数十年前ですが、出町柳からバスに乗って、鞍馬より北の方へ行きました。花背で、大きさの違うバスに乗りかえました。2024/04/22