内容説明
「厭だ。厭だ。厭だ―」同期深谷の呪詛のような繰り言。パワハラ部長亀井に対する愚痴を聞かされ、うんざりして帰宅した“私”を出迎えたのは、見知らぬ子供だった。巨大な顔。山羊のような瞳。左右に離れた眼。見るからに不気味な子供がなぜ我が家に?しかし、妻はそんな子はいないと言う。怪訝に思う私。幻覚か?それが悪夢の日々の始まりだった―。周囲で「厭な」ことばかりが続く深谷。そんな彼にも、厄介な上司との決着の時が!ぞっとしてげんなりする、なのにやめられないバッドトリップ・ノベル登場。
著者等紹介
京極夏彦[キョウゴクナツヒコ]
1963年生まれ。小説家、意匠家。94年『姑獲鳥の夏』でデビュー。日本推理作家協会賞、泉鏡花文学賞、山本周五郎賞に続き、2004年『後巷説百物語』で直木賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ミツツ
32
あーあ 厭だ厭だ。最後の話しを読んでこの本の装丁の意味を知るとギャッとなり放り出したくなった。2018/11/29
らすかる
25
手に取ったときに、あまりの分厚さと古めかしさと色褪せ具合に何とも「厭な」気持ちになりました。中には7つの繋がった短編が。厭なはなしだ、ってのはタイトルからも本の雰囲気からも重々わかってはいたのだけど、とてつもない不条理さと無限地獄のような閉塞感と読んでる自分がおかしいのかと錯覚する「厭な」かんじ。あぁ、ほんとに厭だ。読んでて陰々鬱々とした空気に!京極先生にしてやられた敗北感(/∀\*)2018/12/06
F
22
「本書の効用:背筋がぞわっとした後に、どんよりします。読者様、およしになったほうが…」何つー帯…さぞ厭な話なんだろうなぁ、装丁もわざと厭らしく小汚い風だし…虫も挟まって…財布の中身も減るし厭だ、厭…(中略)。でも京極夏彦の本を読まずにいるなんて、もっと厭だー。という訳で読了。タイトル通り厭~な小説でした。身の毛もよだつ嫌悪感のオンパレード。ああ、厭だ厭ダ。2011/09/02
ダージリン
19
帯やら、見開きやらにのせられて読んでしまいました。初めの2篇が凄く理不尽で厭でした!後の話は法則性みたいなものがあって、まだ安心?できるのだけれど・・・結局オチを見届けるまで、やめられませんでした(涙)。ソフトカバーの下にまで、蚊が・・・2011/09/17
色々甚平
14
恐怖と厭の違いを感じさせられた。それと爺さんの勃起シーンが何度も出てきて、京極さんの爺さん好きは本物だなと思わずにはいられなかった。本そのものにも工夫がなされていてわざと経年劣化させていたり、ページに蚊の潰れた後が残っていたりしてこちらを巻き込むエンターテイメントとして成り立っているなぁと思っていました。思わず読み進めてしまうのですが怖くないです。ただ気持ちが不安になっていきます。被害に合うのがマトモな奴が馬鹿を見る状態なのも総じて厭になる要因かもしれない。なんでお前がのうのうと!と思うの間違いなし。2016/07/12
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