内容説明
天竺の名君・戒日王が急逝!?玄奘三蔵法師は不吉な夢を見た。折しも、太宗皇帝の命を受け、文官・王玄策率いる使節団が天竺へ向け出発した。行く手には天空にそそり立つヒマラヤ。難路悪路を踏破し、目的地マカダ国にたどり着く一行。だがそこは、悪政を敷く新しい王によって支配されていた。三蔵法師の夢は正夢だったのだ。簒奪王を倒すべく、王玄策は囚われていた牢獄を脱獄。しかし頼るべき兵もなく、いかに強大な敵に立ち向かうのか!?空前絶後の奇功をなした男の痛快冒険行。
著者等紹介
田中芳樹[タナカヨシキ]
ノベルス界を代表する大ベストセラー「薬師寺涼子の怪奇事件簿」「アルスラーン戦記」シリーズが快調。また、『奔流』『岳飛伝』など、雄大なスケールで描かれた中国歴史小説の書き手としても人気を誇る。1978年に第三回幻影城新人賞を受賞。以後、SFファンタジー、西洋冒険ロマンなどを続々発表する。1952年、熊本生まれ。学習院大学文学部博士課程修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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とも
40
★★★☆題名だけをみれば、三蔵法師、ひいては悟空率いる西遊記なのかと思い読み始めてみたところ、1ページではやくもその予測は穿たれる。主人公は、王玄策という唐 太宗皇帝時の中級官僚で、玄奘三蔵の帰国 数年後の話し。彼が、新た 国使として天竺(インド)へ向かう話であるのであるが、まぁ 内容的にみて面白そうでもなく 読むのをやめようかとも思ったが、文体が流麗で読みやすく 歴史上には、埋もれながらに 偉人がいるものだと関心はするが、作家もあとがきで書いている通り、あくまで娯楽としての読み物としても十分に楽しめる。2017/01/15
keisuke
7
再読。藤田和日郎の絵がちょうどいい感じ。後書きにある、「楊家将演義」はまだですか。2017/05/16
Masanori Mori
4
全く知らない方のお話でしたが、あの時代に3回もインドまで行っている人が居たことに驚き。また、そんな方が全くの無名であることも驚き。田中芳樹さんはマイナーな方の作品も多く、自分の知らない世界を広げてくれる。マイナーでも偉業を達成した方には光を当て続けて欲しい2017/06/08
ぴっちゃん
3
コミックバージョン(伊藤勢画)がおもしろいので、原作小説を読みたくなって…古書店により入手。なんとなく講談調で読みやすく早く早く次のページへ、とせかされるように面白く読んだ(あとがきによればこの文体は著者も工夫したらしい)。コミック版は小説に比べるとずいぶん読者サービスというか伝奇的要素や個性あふれる人物描写が多いが、原作はそのあたりは結構あっさり。小説版では乏しい史料から史実を膨らませた感はあるけれど超人は出てきませんでした。コミック版の有無とはかかわりなく面白いので中国時代物が好きな方にはお薦めです。2019/03/31
shou
2
知らなかったもので、「インドに3度も渡り、チベット&ネパール連合軍を率いてインド内紛に介入した唐の使節」って本当に実在したのか?! と思わず検索してしまったw 史実自体がファンタジー級なので、もう多少の脚色とかどうでもいいようなw 2012/01/15
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