内容説明
警察庁小早川警視正の義妹夏木梨香は、ところかまわず睡魔に襲われる嗜眠病治療のため、富豪の老人島津の招きで九州・宮崎へ向かった。だが、日南海岸の宏大な屋敷には、深夜、奇怪な仮面男が出現、梨香は重傷を負わされた。一方、北海道・函館で翌日、謎の米国人が、全身四二カ所を刺されて死んだ…。やがて上京した島津の孫娘琴比女が惨劇に見舞われ、事態は急転!小早川の前に日本列島を縦断する事件の構図が…。度肝を抜く空前の大トリックで贈る“殺人旅情シリーズ”最新作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nemuro
4
「かなり以前の本」の印象でしたが、いま改めて奥付を見ると、意外にも「平成11年6月10日 初版第1刷発行」。勝手に昭和の作品と思い込んでいて、途中、携帯電話の登場に違和感を覚えたのですが、平成11年であれば、もちろん問題はありません。私に限らず、タイトルに「函館」が入っていれば、まず借りてみたくもなりますし、本の痛みもやむを得ないところ。ところで本書は、月刊『小説non』(祥伝社刊)に連載時の『日南岬殺人旅情』を改題とのこと。「はたして、その必要があっただろうか?」が読了後の正直な感想、ではあります。2011/03/21