内容説明
なぜ、昭和の日本人は明治・大正に比べ、外交下手になったのか。そして、被統治能力を失ったのか。著者いわく、その“変調”は昭和五年に始まったという。そして、軍部の暴走による「昭和の悲劇」が、明治憲法の二つの欠陥にあることを突き止める。そもそも明治憲法は、「首相」「総理大臣」「内閣」という言葉が一度も出てこない「奇妙な」憲法だった。日本が戦争に突入していった経緯を、歴史的事実を積み上げて丁寧に読み解いた名著。憲法改正論議が進む今、復刊!
目次
1章 総理なき国家・大日本帝国の悲劇―「昭和の悲劇」統帥権問題は、なぜ、起きたか(明治憲法に隠された致命的欠陥;なぜ、議会制民主主義は崩壊したか;軍部が無能者集団と堕した真相)
2章 世界史から見た「大東亜戦争」―三つの外的条件が、日本の暴走を決定づけた(反米感情の“引き金”は何か;保護貿易主義と世界大戦との相関;排日運動の激化と大陸への出兵;満州国建国の真実;第二次世界大戦―常識のウソ)
3章 国際政治を激変させた戦後の歩み―なぜ、わずか四〇年で勝者と敗者の立場は逆転したのか(敗者の悲劇―「東京裁判」と「南京大虐殺」;「日本型」議会政治の奇蹟)
著者等紹介
渡部昇一[ワタナベショウイチ]
上智大学名誉教授、英語学者、文明批評家。1930年、山形県鶴岡市生まれ。上智大学大学院修士課程修了後、独ミュンスター大学、英オックスフォード大学に留学。ミュンスター大学より哲学博士号(Dr.Phil.)、名誉哲学博士号(Dr.Phil.h.c.)を授与される。著書多数。日本エッセイスト・クラブ賞、正論大賞受賞。瑞宝中綬章受章。2017年、逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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