出版社内容情報
五木 寛之[イツキ ヒロユキ]
田原 総一朗[タハラ ソウイチロウ]
内容説明
50年以上の長きにわたり、二人は文芸、ジャーナリズムの第一線で、書き続け、報道し続け、走り続けてきた。少年期の戦争体験、路頭に迷った敗戦直後、貧しさから立ち上がった戦後の日々…。全身に張り付いた挫折と焦燥に背中を押されて、二人は這い上がるようにして世の中に出、社会の荒波を生き抜いてきた。駆り立ててきたエネルギーはどこからきたのか?何を信じ、何を支えに生きてきたのか?宗教、政治にとどまらず、事件、文化を縦横に語り合い、身をもって体験したマスコミ渡世の辛酸と高揚を振り返る。今だから語れる、もう一つの戦後、たった一人の戦い。
目次
前口上 「朝生」は、まだ宵の口
第1章 ぼくらのヴ・ナロード
第2章 少国民の戦中戦後
第3章 天皇制は日本教である
第4章 宗教は人類最大の発明か
第5章 あの世について考える
後口上 死ぬまで現役・朝まで仕事
著者等紹介
五木寛之[イツキヒロユキ]
1932年福岡県生まれ。戦後、朝鮮半島より引き揚げ、早稲田大学中退後、さまざまな職に就く。『蒼ざめた馬を見よ』で直木賞を受賞
田原総一朗[タハラソウイチロウ]
1934年滋賀県生まれ。早稲田大学卒業後、岩波映画製作所入所。東京12チャンネル開局と共に入社。77年よりフリーとなり活字・放送の両分野で活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬参仟縁
31
田原:民謡ですか。 五木:そう。中山晋平や西條八十(やそ)、北原白秋、野口雨情(うじょう、37頁)。 田原:国際政治学者で中西輝政とか作家の渡辺昇一とかいった連中が、安倍晋三を見限り始めているんです(45頁)。国民なんか、とっくに、「こんな人たち」呼ばわりで、見限ってるよ(にしおかすみこ風)。 2018/01/23
田中博史
5
戦中、戦後を生き、冷戦を生きた世代は、自らが模索し、行動して正しさを考えるということを余儀なくされた世代であるということを思った。無論、時代を問わず、真面目な人間はそのように生きており、不真面目な人間は何も考えてないんだろうけど。2018/01/20
なななな
5
さすがのお二人。話の背景となる知識と経験が深いことを、読者にたっぷり感じさせる本でした。2017/10/24
Naota_t
3
★3.1 書かれているのは、戦争体験と宗教について。個人的にも田原総一郎は、経済というより戦争の人という印象がある。また、宗教観に関しても面白かった。青年期に天理教と喧嘩してから、死後の世界は信じなくなったらしい。笑 なんとも田原総一郎らしい。最近、「リメンバーミー」というディズニー映画を見た。本書では、死後の世界について「極楽浄土」「あの世で会おう」という考えが示されている。確かに映画を見たあとも、死後の世界は怖くない、という不思議な感覚になった。メキシコと仏教の考えは似ているのかもしれない。2018/03/24
カツドン支持者
2
同世代二人による対談。老人の思い出話と言えばそうなのだけど、戦中、戦後の動乱期を生きてきただけに出てくるエピソードが濃く、面白い。お二人とも80代という事もあってか、後半は自然と話題が死やあの世についてになっていく。こうなると五木さんの独壇場といった感じ。個人的に「大河の一滴」に描かれた人生観、死生観を未だに五木さんがお持ちになっている事を知れたのが一番の収穫だったし嬉しかった。2018/04/18