内容説明
天皇家の祖神を祀る神社は、なぜ大和から遠く離れた伊勢の地につくられたのか。三種の神器のひとつである草薙剣は、なぜ尾張で祀られたのか。春日大社の祭神は、なぜ四柱もあるのか。物部氏が石上神宮の祭祀に関わっていなかったという記述は、本当か。神社がわかれば、古代史の謎が解ける!
目次
序編 「神道」と日本人
第1編 ヤマト建国の立役者となった氏族たち(出雲国造家―出雲大社;物部氏―石上神宮、磐船神社;蘇我氏―宗我坐宗我都比古神社)
第2編 ヤマト建国の秘密を知る氏族たち(三輪氏―大神神社;尾張氏―熱田神宮;倭氏―大和神社)
第3編 暗躍し、勝ち残った氏族たち(中臣氏―枚岡神社;藤原氏―春日大社;天皇家―伊勢神宮)
第4編 切り捨てられた氏族たち(大伴氏―伴林氏神社、降幡神社;阿倍氏―敢国神社;秦氏―伏見稲荷神社)
著者等紹介
関裕二[セキユウジ]
1959年、千葉県生まれ。歴史作家。『聖徳太子は蘇我入鹿である』でデビューしたのち、日本古代史を中心に、執筆活動を続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ヒデキ
53
古代の有力氏族とその一族に関わる神社の話を切口に 古代の日本成立の謎を描いています。 物語として、昔からの関さんの主張を述べられていますが、 物語の部分と解説としての部分が、かなり曖昧になっています。ちょっと残念 歴史・宗教の切口とは、また違って面白く読めました2023/10/14
terve
15
神社巡り(特に一之宮を巡っています)が好きなので手に取った本だったのですが、「まぁ、はい。」という感じでした。資料の無い時代のことなので、断言できないところが歯痒くもあります。一つの視点として面白い内容ではありますが、個人的には「次はもう良いかな」という感想です。2019/08/08
大阪魂
15
関さん初読みかな…ゆうてはるみたいに、継体天皇、ヤマトタケル、大海人皇子などなど、古代史の中で東の方って実はキー握ってるのに、あんまし触れられてへんもんねー中臣鎌足と百済とか、ヤマトノオオクニタマとアマテラスは宮中から遠ざけられてたとか、へえーって解釈とか史実?がいっぱい!全部がほんまとは思われへんけど、面白かった!大和神社とか降旗神社とかいってみたいな。ほかにも関さんの本読んでみよ2017/07/30
冬木楼 fuyukirou
14
関裕二氏の著作初読み。序論に「日本人は自覚のない信仰心を抱いている」とあり、その信仰心とはどのようなものかを歴史書を読み解き、現地のたたずまいから古代の出来事を考察する1冊。 自分でも京都に御所があるのになんで祭神は伊勢にあるのかと不思議に思っていた。仏教伝来前の神社は氏族の先祖を祀る場所だった(と思う)のだから、古代氏族系の神社もあるよね、あるんだ、残っているんだ、没落したから無名なのね。渡来人の藤原氏が過去の政治祭祀を根底から変えたという発想には驚いたけど、ありそう、な感じ。序論以降は駆け足でした。2020/11/29
TheWho
14
日本の古代史を独自の視点で解釈し、歴史の謎に挑む歴史評論家である著者が、古代氏族と奉斎する神社の関係を解き明かしながら古代史の謎を紐解く一冊。なぜ天皇家の祖神を祀る神社が、大和から遠く離れた伊勢の地に建立されたのか。天照大御神は実は男神だったのでは。国譲り神話上で裏切り者である天穂日命の子孫をなぜ出雲国造に任命し、その上現代まで命脈を保ち続けられたのか。等など日本書紀の矛盾を驚愕な新説で解き明かしていく。正に高田崇史の作品の元ネタを提供している様にも感じる興味深く面白い一冊です。2014/10/10