内容説明
日本庭園は、世界に誇るすぐれた文化である。しかし、それが実際にどういうものであるかは、意外とわかっていない。一般の庭園や自然の景色とは、何が違うのだろうか。一〇の名園を選び、豊富な写真で見どころを案内。ただの池じゃない!ただの石じゃない!日本人が知らない日本庭園の基本原則。
目次
第1章 日本庭園の源流
第2章 毛越寺庭園―浄土式庭園の代表例
第3章 西芳寺庭園―苔に覆われた極上の空間
第4章 天龍寺庭園―剛健な滝石組と美しい石橋
第5章 鹿苑寺庭園―金閣が臨む、すぐれた池泉庭園
第6章 大徳寺大仙院庭園―山水画の世界を立体的に表現
第7章 龍安寺庭園―名声にかかわらず、謎ばかり
第8章 一乗谷朝倉氏遺跡庭園群―息をのむ石組の美
第9章 徳島城旧表御殿庭園―絢爛豪華な大名庭園の始まり
第10章 南禅寺金地院庭園―鶴亀蓬莱庭園の代表格
第11章 桂離宮庭園―どこから見ても名景
第12章 日本庭園の展開
著者等紹介
重森千青[シゲモリチサオ]
1958年、東京都生まれ。中央大学文学部卒業。重森庭園設計研究室代表。作庭家。庭園研究家。京都工芸繊維大学非常勤講師。やはり作庭家・庭園研究家として知られる重森三玲は、祖父である。庭園作品として、『松尾大社瑞翔殿庭園(京都府)』『長保寺・寂光の庭(和歌山県)』『久幸会今村病院(秋田県)』『真如堂・随縁の庭(京都府)』などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アキ
73
重森三玲の孫の重森千靑さんによる日本庭園入門書。日本全国で10庭園取り上げておられるが、選定は難しかったとご本人の弁。なぜ知ったかというと、ご本人にお会いしたから。なんと、この本を片手に大徳寺大仙院庭園を訪れたら偶然お会いして立ち話をさせて頂いた。こんな奇遇めったにない。もちろん初対面であったが、祖父の知り合いのイサム・ノグチのことや四国吉野川の緑泥片岩のことを丁寧に教えて頂いた。サインしてもらおうと思ったが、図書館の本でした。10庭園の内、6か所は訪問したことある。あと残り4カ所も訪れるつもり。2020/02/09
A.T
12
読んでから現物のお庭を鑑賞してみました。見所がズバリ指摘されているので、見落としの無駄がなく助かります。昭和の作庭家重森三玲のお孫さんである著者も作庭家なので、目線が明快です。2018/04/15
yamahiko
8
とてもわかり易く、庭園への愛にあふれた一冊。重森三玲氏のお孫さんと知って納得。2015/06/28
路地裏のオヤジ
7
「何となく庭をみるのが好き」な私は何か節目のときに「龍安寺庭園」「建仁寺庭園」などを訪れ、暫く佇んでいると心が洗われたような感じがする。鶴島・亀島、枯山水などの造形が精神の安らぎをもたらしてくれるだろうか!?2023/05/14
Humbaba
7
現代においては、様々な楽しみがあふれている。栄華のように技術によりどんどん進歩するものも、スポーツのように自分が参加して楽しむものもある。しかし、庭園をめぐるというのも、それとはまた違うベクトルで面白いものである。昔から有るものかもしれないが、それが今も続いているというのは、そこに一つの価値があるからといえるだろう。2013/12/03