内容説明
古来、日本人は縦に文字を書き、言葉を紡いでいくことで精神を醸成させてきた。本書では、日本人の劣化の一因に横書きの横行を挙げ、なぜ横書きが無謀であるかの検証を重ねていく。現代日本を代表する書家が、人間と言葉の根源を見据えて考察した憂国の書。著者は主張する。「日本語を横書きにすることは、英語(アルファベット)を縦に綴るのと同じ愚行である」。
目次
第1章 言葉が力を失った社会(神と悪魔の間で分裂している人間の精神;価値の不定、浮動化;「なぜ人を殺してはいけないのか」の回答 ほか)
第2章 「日本」とは「日本語」のことである(日本語は世界でも特異な言語である;漢語(漢字)と和語(仮名)の二重言語国家
日本語は中国語の植民地語 ほか)
第3章 「縦書き」こそが精神を救う(縦書きをなくそうとした占領軍;丸文字とシャープ文字;混乱を極める封筒の表書き ほか)
著者等紹介
石川九楊[イシカワキュウヨウ]
昭和20年福井県生まれ。京都大学法学部卒業。書家。京都精華大学教授・文字文明研究所所長。平成3年『書の終焉―近代書史論』でサントリー学芸賞、14年『日本書史』で毎日出版文化賞、21年『近代書史』で大佛次郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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