内容説明
米国式経営に盲従し、社員との信頼関係をぶちこわし、安売り競争に走って内需拡大を怠り、超高齢社会への対応に無策。自分の利益しか考えない経営者に「ノー」を突きつけよ。
目次
序章 かつての経営者と、いまの経営者の違い
第1章 誰が日本ブランドを凋落させたか
第2章 内需の弱い国に未来はない
第3章 社員を死に追いやる経営者たち
第4章 会社への「信用」を破壊した経営者たち
第5章 なぜ消費者は、お金を使わないのか
第6章 なぜ「高齢者」に目を向けないのか
第7章 なぜ、日本が市場で弄ばれるのか
著者等紹介
和田秀樹[ワダヒデキ]
1960年大阪府生まれ、精神科医。東京大学医学部卒、東京大学付属病院精神神経科助手、アメリカ・カールメニンガー精神医学校国際フェローを経て、国際医療福祉大学大学院教授(臨床心理学)、一橋大学経済学部非常勤講師(医療経済学)。老年精神医学、精神分析学、集団精神療法学を専門とする(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ちくわん
18
2012年6月の本。ちょっと古いが大丈夫。それくらいこの国の状態は変わっていない。さらに少しずつ悪化している。最初は「失われた20年」の責任を、政治家や官僚ではなく企業経営者に求めるのはいかがなものか思った。が、最後まで読んで安易に(いや巧妙に仕組まれた?)従来の日本企業型経営を思慮なく捨て去ったことの責任は大きい。昭和の人なのでやはり家族型経営が懐かしくもある。2021/08/01
よこしま
15
和田秀樹といえば精神科医や教育評論。氏が専門外の経済界を評論してるので読んでみました。①中間層が占めていたことで高いモノが売れ、アジアは日本に憧れ、また日本も欧州に。②ブランドの凋落。値下販売や海外生産ばかりでコストしか見ていないので、内需も落ち、上がってきたアジアの中間層からも既に魅力なしです。③切捨て社会になり自殺者が増えてます。ゲームやネットなど依存症の強いモノしか今は販売力がない、このあたりは精神科医らしい指摘です。他にもありますが、今の経営者には洞察力、品格、教養、情けなどがないと斬り捨てます。2014/06/17
ゴラン
2
最近日本が元気でなくなってしまった理由を、独自の切り口で説明してくれている。日本は自国を客観的に見ることができず、メイドインジャパンの安売りをしてしまい、他所から押し売りされたアメリカ式経営を無理やり取り入れて。日本企業のよかった経営方式を忘れてしまった。その原因が愚かな経営者。海外から全く評価されない日本の経営者。昔の経営者はよくもわるくも家族的で信頼の上に成り立っていたが、もう今やそれは昔の話。昔の日本に戻すわけにはいかないだろうが、世界と渡り合える人物が不足していることは確かだと分かった。2012/09/19
にむけん
1
当たり前のことをきちんと書いている。2014/07/30
ミッキー
1
自殺のくだりなどは精神科医ならではの内容だと思いました。それ以外は、専門外ゆえに面白い見方ではあるが実効性と確からしさは疑問。ただ、専門外でも社会を憂いての発言は共感出来るし、自分も行動しなければと背中を押される思いがした。2013/02/09