内容説明
どこからどのように富士山が眺められるかを研究しつづけた著者は、全国20都府県のビューポイントをくまなく調査し、ついに富士山可視マップを作り上げた。また、都内各地の路上から見られる富士を次々と発見。北斎の『冨嶽三十六景』に描かれた富士の秘められた謎の解明にも挑む。さまざまな「富士見」を通じて、富士山に情熱を注いだ日本人の姿が立ち現われてくる。
目次
第1章 可視マップで探る、富士山が見える地域(福島県―富士山が見える最北の地;茨城県―筑波山が壁となってしまう水戸方面 ほか)
第2章 都内路上富士(千代田区;港区 ほか)
第3章 『冨嶽三十六景』の謎を、デジタルで読み解く(富士山ではない「桶屋富士」;北斎は「トンネル富士」のパイオニア ほか)
第4章 乗り物から見る富士山(私の通勤車窓展望;東海道新幹線 ほか)
著者等紹介
田代博[タシロヒロシ]
1950年、広島県生まれ。神奈川県立高校教諭を経て、筑波大学附属高校社会科(地理)教諭。聖心女子大学、専修大学講師、日本国際地図学会、日本地図センターなどの評議員を務める。NHK高校講座の地理講師としての人気も高い(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
たー
26
こういう内容で1冊の本が書けてしまうのも富士山の魅力の一部か?これを参考に色々楽しめそう。しかし自宅近辺ではどうあがいても見えないことが判明(´Д` )2013/08/15
mam’selle
17
関西人の私にとって富士山は憧れの山。朝、通勤途中に見られるとウキウキします。 本書で紹介されている三重、和歌山、滋賀、奈良などから遠望できるなんて、ワクワクドキドキします。一度で良いから見てみたい!?2017/11/25
謙信公
16
副題の解答は和歌山・色川富士見峠、トンネル富士は男体山、最高所は北岳、ダイヤモンド富士は奈良・山上ヶ岳だそうだ。都心では高層建築の乱立などで視界が遮られ、「富士見」は日々変わっていく。「富士見」規制などはできないものか。新幹線や東名高速のくだりは、東京起点で書かれていたので関西人の私にはピンとこなかった(大抵暗くなっているので何も見えません)。西からたどると東海道新幹線の静岡駅を過ぎて4つめの長いトンネルを抜けた瞬間にデーンと広がる視界、東名高速の薩埵トンネルを出た左カーブの眼前に出てくる富士山は最高だ。2020/10/15
アセロラ
13
まずは巻頭のカラーページの地図で、福島県、和歌山県でも富士山が見えるということに驚愕。また、山梨県や静岡県は近すぎて他の山に隠れてしまい、見えない場所がけっこう多いことにも驚きました。神奈川県、東京都、埼玉県の東側は山も少なく、ほとんどの場所で富士山まで見通せるそうです。とはいえ、地図ソフトで作成した「可視マップ」を使って、つまり、山や起伏などの地形や富士山からの距離等を元に、理論上見えるかどうかをまとめています。建物等に隠れて見えない場合もあります。「富士山マニア」の世界です。かなりおもしろかったです。2019/12/09
ふろんた2.0
13
富士山をいたる所から眺めるという著者のワクワク感が伝わってくる楽しい本。やってることはブラタモリやタモリ倶楽部の企画と一緒。富士山を眺めるだけなのに、どこまで遠くから見られるか、都内の路上から見られる場所はどこか、富嶽三十六景を訪れる、乗り物から望む富士と読んでいて飽きることがない。2013/08/27