内容説明
勤務中は憂鬱で仕事が手につかないが、勤務時間外には個人的な趣味や交際に打ち込める。なかには、治療専念を理由にして、診断書持参で三カ月以上の休暇を申し出る。そんな社員が急増中。いわゆる「新型うつ」である。職場仲間からしてみれば、わがままか、個人主義の暴走にしか思えない。いかにも「都合のいい病」に映ってしまう。「新型うつ」は本当に、うつなのだろうか?それとも新種の病か?しかし、大多数の精神科医は、これを従来のうつが変容したものと決めつけ、従来と同じ治療法で押し通してきた。自ら、うつを発症しながら、うつ治療現場の最前線を長らく取材してきた著者が、その総決算として世に問う一冊。
目次
序論 「私もうつになりたいよ」―うつ不寛容時代の始まり
第1章 「新型うつ」はどのように語られてきたか
第2章 臨床医たちによる「新型うつ」治療
第3章 振り回される職場の不満
第4章 うつは、もはや「免罪符」ではない
第5章 「新型うつ」社員を職場復帰させる方法
終論 「新型うつ」だけが問題なのか
著者等紹介
上野玲[ウエノレイ]
1962年生まれ。ジャーナリスト(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
きょん
9
終論部分で全てが台無しになった感あり。そこまでなら私見も含まれているにせよ、新型うつを受け入れ、どう対応していくべきか、という前向きな内容になったと思うのに。自身が従来型うつを患ったことは本書を書くうえでも貴重な体験になっていると思うのだが、残念。2015/09/24
sayusayusayu
3
香山リカVSなのは良く理解できた。 私はこの著者のほうが説得力を感じるかなと。2017/08/26
kyoh
3
従来のうつとは異なる、利己的で他罰的で、企業にぶら下がる形にも見える新型うつ病。 その発生の経緯や、精神医療分野からの捉え方、企業としての対応手段等について、著者なりのまとめと見解を示した本。 なんだかやけに、話が膨らみ過ぎだったり、怨み節や、自分の新聞コラムを中傷された事に対しての挙げ足とりのような書き方が多くて、読んでいて白ける・・・ 著者本人が患者という立場もあろうが、もっとこの病気に対して、冷静に分析・考察しているものが読みたかった。2010/09/14
リョウ
2
とりあえず、新型うつが何だかよく分からないと言うことと、著者が香山リカを病的なまでに嫌っていることはわかった。うつについての言及もあんまり信用できない。ハズレかな。2011/01/19
みぃ姉
2
うつを抱えていても社会性を失ってはならないという趣旨は理解できますが、ちょっと他者批判が多すぎるのが気になりました。他者批判や愚痴めいた部分がなければ、それなりに評価できる本であるだけに、残念です。2011/01/15