内容説明
小さな銀山が世界に果たした驚くべき役割とは?石見銀山がなかったら、世界史はどう変わったか!なぜ、当時の全世界産出量の3割の銀が取れたのか。
目次
序章 石見銀山は、今―自動販売機の見当たらない古い町並み
第1章 金銀王国ジパング―黄金の国「ジパング」は、誇張ではない。日本は、金も銀も有数の産出国だった。
第2章 日本と世界の大航海時代―勘合船、御朱印船による日本人の海外雄飛
第3章 なぜ日本の外来語にはポルトガル語に由来する単語が多いのか?
第4章 石見銀山を支配した謎の豪商神屋家―日本の大航海時代の目的は、呂宋壼と井戸茶碗
終章 石見銀山とポルトガル
著者等紹介
豊田有恒[トヨタアリツネ]
1938年、群馬県生まれ。若くしてSF小説界にデビュー。手塚治虫氏に招かれ、虫プロダクションでシナリオを執筆。歴史小説や社会評論など幅広い分野で執筆活動を続ける一方、古代日本史を東アジア史の流れのなかに位置づける運動を展開する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Nosuke.M
7
主題の石見銀山のサイドストーリーとしてポルトガルの興亡の歴史と織り交ぜて作者の仮説が述べられている点が興味深かった。母国がスペインの併合という憂き目にあい、自活の道として日本の銀の取り扱いを占有する為に様々な融和政策(e.g.遣欧使節団派遣、日本人との結婚)を駆使するなどの話からも、当時の日本産の銀の品質が世界随一であり、レア鉱山を有する資源国家だったのだと認識させられた。そのポルトガルと結託し徳川幕府の転覆を企んだとされる銀山奉行の大久保長安、銀一つとっても様々な物語が交錯しているのが面白い。2019/09/24
結城あすか
1
「世界史の中の」という割には戦国末期から江戸初期にかけての日本にやってきたポルトガル人との関わりがほとんどで、そこから海外に対してどんな影響を与えたのかというのは、マカオとの交易とか、半ばインチキな天正少年使節の話は触れられているものの、「意外な影響」とかいうものはないので、肩透かしを食ったような感じかにょ。これなら日本と西洋との金銀の交換レートの違いが大きな交易を生み出していたことなんかをもっと経済学的な視点から大きく取り上げてた方が興味深い内容になってたと思うにょ。2011/06/08
makkachinn
0
元禄時代に最高級を誇った小判が時代を下るにつれ、質が悪くなっていく。その理由には金銀の比率問題があり、裏には石見銀山に関わる隠れキリシタンとポルトガルの貿易商人の繋がりがあった。本書は日本人が自分たちの資産価値を知らず、ユダヤ人が初めに他人の資産に目をつける典型的な例を歴史的な資料を明示しながら詳細に示している。悲惨なのはその資産価値を知らされず、我々は誤解したまま歴史を生かされていることだ。・気になる点。情報量が多いので歴史に詳しくても流し読みは困難。学生が勉強、研究するための資料になる。2017/08/12
Suzuki Koichiro
0
タイトルと内容が殆ど合っていないし、学問的には素人の領域を出ていない。生徒に勧めるのはやめておこう。2016/09/12
ester
0
☆☆2015/07/23