目次
1章 スリランカと建築家ジェフリー・バワ(スリランカの風土;スリランカの歴史と建築;バワはどのようにしてバワになったか)
2章 バワ建築を理解するための10の視点(スリランカ的なるもの;アニミズム;バワの建築思想 ほか)
3章 吹きわたる風 バワ作品25題(光のラビリンス No.11;南スリランカの散居 ドクター・シルバ邸;軽やかなスクリーン ビショップズ・カレッジ ほか)
著者等紹介
岩本弘光[イワモトヒロミツ]
建築家、岡山県立大学デザイン学部建築・都市デザイン領域教授。1954年和歌山県高野山生まれ。1980年日本大学大学院理工学研究科博士前期課程修了。1981年石井和紘建築研究所勤務。1986年フィレンツェ大学建築学部留学(イタリア政府給費留学生)。1988年ミラノ工科大学建築学部留学(国際ロータリー財団給費留学生)。1991年~大学非常勤講師歴任。2010年より現職。日本建築学会作品選集、グッドデザイン賞、他受賞多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
co1024
0
スリランカを旅行中はあまり気にならなかったが、帰ってきてからどうしてもバワの存在が気になり初めて建築系の本を読んだ。自分もプールと海面がフラットに見えるいわゆるインフィニティプールに感激して、そういうプールがあるホテルに泊まったが、きっとバワの影響なのだろう。筆者がバワ事務所で働いていたイスメスと偶然出会えたエピソードがあまりにも奇跡で、バワが出会わしてくれたのだと思う。2016/06/26
TAKAMI
0
バワ建築に関して最も充実した日本語書籍だと言えるだろう。本書では著者が「アニミズム・モダン」と表現するが、東洋と西洋、もっと詳しく言うとモンスーン・アジアとモダニズムの高いレベルでの両立を成し遂げている、(無意識下だとしても)アジアで絶大な影響を持つ建築家。影響に関しては山口由美氏の本に詳しいが、実感としてもそれはある。あとがきにも著者は書くが「建築家なしの建築」とも「批判的地域主義」とも通底した思想だが、それとはまた違うのだよなあ。図面も写真も美しすぎるぜ。2016/04/27
mako
0
ジェフリーバワさんの図面が美しくて、うっとりと眺め倒すビジュアル本…と思って図書館で借りたが、文章がとても読み応えありおもしろかった。バワの初期の設計を支えた建築設計エリートな若いイスメスの存在。スリランカ土着の建築文化についてのリサーチを続けていた友人の存在。バワ自身の人間的魅力と、人を巻き込むパワフルさの圧巻なこと。加えて持って生まれた家柄と血筋の良さ。人気の建築家というものが、どのような要素で成り立っているのかを垣間見られる非常におもしろい本でした。2018/09/01