内容説明
本書は、ミースが死去した1年後、いち早くまとめられたもの。著者、山本学治は、「機能と材料と形の一貫した総合としての建築設計の創造性と、そのための技術的独創性という建築のルール」という一貫した視点から、ミースの建築創造を時間軸に沿って論じている。構造・技術・材料の様々な要素のせめぎ合いの中でミース建築が立ち現われてくるさまを、改めて知ることができる。本書は、ミースへの最良の入門書であると同時に、読み継がれるべき古典の一冊である。
目次
1 ヨーロッパ時代(おいたち;ベーレンスとベルラーヘとライト;第1次大戦直後の建築界の動向;五つの計画案;20年代におけるミースの思想;CIAMへの道;流れる空間の秩序;コート・ハウスの研究)
2 アメリカ時代(有機的な秩序を求めて;イリノイ工科大学(I.I.T.)校舎群とファンスワース邸
新しいクラフトマンシップ
普遍的空間
UnityとIdentityの相克)
3 巨匠時代の終末(終章の始まり;姿勢と作品;さまざまな解釈;人間と空間の論理)
著者等紹介
山本学治[ヤマモトガクジ]
1923年東京に生まれる。1945年東京大学第2工学部建築科卒。1949年東京大学大学院修了(近代建築史)。1961年工学博士。1964年東京芸術大学美術学部建築科教授。1977年死去
稲葉武司[イナバタケシ]
1938年中国長春市に生まれる。1963年東京芸術大学美術学部建築科卒業。1964年ワシントン州立大学建築学部卒業。1965年菊竹清訓建築設計事務所所員。1969年東京芸術大学美術学部講師。1973年共立女子大学家政学部助教授。1993年共立女子大学家政学部教授。2004年共立女子大学家政学部退職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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