内容説明
建築デザインにコンピューターが利用されはじめて20余年、最近ではそのデジタルデザインがなければ生まれなかったであろう表現が増えている。この傾向は、今後ますます加速していくだろう。本書は、図面作成のためのCADではなく、建築デザインの発想段階においてコンピューターを「デザイン思考の支援ツール」として利用する手法のさまざまを、いくつかの例題を通して紹介している。従来のアナログ的な思考を尊重しつつ、一方でデジタルに物事を捉えることによって全く新しい発想が得られるが、そのイメージの生成ならびに応用の手法を、テキストとCD‐ROMの組合せでわかりやすく解説する。
目次
A “かたち”を生成する―造形のルールを発見し、新たなイメージに適用してみる(ルールに従って組み合わせる;“かたち”をつくる「原理」をつくる;イメージを「選択」して空間に適用する ほか)
B 人間の行動をデザインする―利用者の行動特性をデザインに反映させる(「奥行き感」で“かたち”を再構成;歩いて生まれる視界のひろがり;人の流れで通路をデザインする ほか)
C 見えないものを、見せる―エスキスの大切な機能のひとつは、描いてみて確かめることである(風の流れを“かたち”にする;音のサイン;音の表情を見る ほか)
総合演習(課題「七つの石」;デジタル・デザイン・コンペ)