内容説明
本書は、伊東忠太の「アーキテクチュールの本義」(1894年)にはじまり、設計体制の変革と創造力の解放をめざした戦後の「五期会宣言」(1956年)までを1冊でたどる。「アーキテクチャー」のもつ文化や技術面の受容の仕方、構造と意匠の対立、建築家職能論、社会主義と国家主義、さらに日本的なるものの再評価など、いまなお日本の建築界が抱える難題が鮮やかに浮かび上がってくる。日本近代の建築の歴史を知ることは、これからの建築を構想することへとつながる。
目次
明治(アーキテクチュールの本義(伊東忠太)
議院建築の方法に就て(辰野金吾ほか) ほか)
大正(建築士会創立主旨;鉄筋コンクリートに於ける建築様式の動機(後藤慶二) ほか)
昭和―敗戦前(日本インターナョナル建築会宣言;合理主義反省の要望(岡村(山口)蚊象) ほか)
戦後概観―五期会まで(敗戦直後における民主建築運動;新日本建築集団(NAU) ほか)