内容説明
まちなみは美しさや歴史的価値だけでは評価できない。大切なのは、未来を志向する意志の力として「このまちで生きる」という覚悟。まちづくりに取り組んで30年が経過した土地には格闘と葛藤の歴史がある。彼らの到達した場所がいかに遥かな地平にあるか、その実感と理解。
目次
1 30年でなしたこと、100年でなしてゆくこと―山形県金山町(まちづくりの主役は町の人たち;“生活環境の向上”をベースにして)
2 受け継いできたもの、残してゆきたいこと―長野県小布施町(新しいものと古いものに折り合いをつけていく;ホンモノへのこだわり)
3 うつぐみの心が紡ぎ出したもの、育ててゆくもの―沖縄県竹富島(文化の刷り込みで景観を守る;離島で生き抜くためのデザインソース)
4 脈々と流れる都市文化、これから積み重ねる町並み―京都府宇治市(歴史とお茶のまちづくり;お金がないからソフトで勝負)
5 町並みを守り、村並みを育てる―愛媛県内子町(負の要因を減らす“引き算型”のまちづくり;地域づくりは七年以上)
著者等紹介
篠原修[シノハラオサム]
土木設計家、GSデザイン会議代表、エンジニア・アーキテクト協会会長。1945年生まれ。1971年東京大学大学院工学系修士課程修了。アーバンインダストリー、東京大学農学部林学科助手、建設省土木研究所、東京大学農学部林学科助教授、東京大学工学部土木工学科助教授、同大学教授を経て、2006年より現職。東京大学名誉教授、政策研究大学院大学名誉教授。設計指導に、苫田ダム(土木学会デザイン賞最優秀賞)など多数
内藤廣[ナイトウヒロシ]
建築家、GSデザイン会議代表、東京大学名誉教授。1950年生まれ。早稲田大学大学院理工学研究科建設工学専攻修了。フェルナンド・イゲーラス建築設計事務所、菊竹清訓建築設計事務所を経て、1981年内藤廣建築設計事務所設立。東京大学教授、副学長を歴任。現在、東京大学名誉教授・総長室顧問。設計作品に、海の博物館(日本建築学会賞)、牧野富太郎記念館(毎日芸術賞、土木学会デザイン賞最優秀賞)、日向市駅(ブルネル賞)、など
川添善行[カワゾエヨシユキ]
東京大学専任講師、川添善行都市・建築設計研究所主宰。1979年生まれ。東京大学建築学科卒業。デルフト工科大学、東京大学国際都市再生研究センター拠点形成特任研究員、東京大学景観研究室助教を経て、2007年川添善行都市・建築設計研究所設立、2011年より現職。博士(工学)。設計作品に、大分竹田白水ダム駐車場・トイレ(グッドデザイン賞)など
崎谷浩一郎[サキタニコウイチロウ]
(有)eau代表。1976年生まれ。国士舘大学、東北大学非常勤講師・文京区景観アドバイザー・NPO法人GSデザイン会議事務局長・土木系ラジオコアメンバー。2003年より広場や公園、道路、矯梁、河川など公共空間・土木構造物のデザインを専門とする設計事務所eauを共同主宰。主なプロジェクトに、旧佐渡鉱山北沢地区・大間地区広場、長崎中央橋、大分竹田白水ダム駐車場・トイレなど。(2010年、2011年グッドデザイン賞)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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