内容説明
本書は、著者が中心となり、鹿児島建築市場の調査や研究会の過程で明らかにされた業務内容や仕組みを判りやすく紹介している。そして、鹿児島建築市場が現状の建築産業の仕組みを打開する方策の一つとしての熱い期待が語られている。また、鹿児島建築市場を調査した結果に基づき、著者の明快なシステム的な考察やワークデザイン手法に基づく知見が示されている。その中で、鹿児島建築市場は管理された組織ではないという特徴がこの市場のアメーバー的な拡大につながっていると述べている。巨大組織によって中央制御された組織ではないバーチャルカンパニーとしての位置付けにおいて、同市場が今後の建築生産に求められるパラダイムシフトを具現化したものとして著者は高くこれを評価している。さらに、この鹿児島モデルは住宅建築のみならず一般建築へも展開し得ることを指摘している。
目次
1 IT時代と変革をせまられる建設業
2 「鹿児島モデル」の登場
3 企業内官僚主義の打破
4 生きている地球と共生する
5 建築のビジネスモデル
6 建設産業変革の起爆剤
7 建設ロジスティクス革命
特別寄稿 「鹿児島建築市場」の生い立ち
著者等紹介
椎野潤[シイノジュン]
1958年早稲田大学第一理工学部建築学科卒業。1980年工学博士。建設会社勤務を経て1988年早稲田大学アジア太平洋研究センター教授。早稲田大学アジア太平洋研究センター建設EDI共同研究会、建築市場研究会主宰
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