出版社内容情報
豪華客船を舞台に、さまざまな狂態の極限を自在に描く世界観が醍醐味!
代表作でもあり、三大奇書の『黒死館殺人事件』を彷彿とさせる作品。
内容説明
二百数十名の乗客とともに欧州に向かう汽船・穂高丸に某国のスパイが乗り込んでいるとの報せが無電で届いた。二等運転士の西塔靖吉は洋上でその正体を探る中、社長令嬢・三藤弓子の世話係・吹江伸子が船室で自殺を図っているのを発見する。伸子の手記には、恐ろしい陰謀に翻弄された彼女の半生が綴られていた!女性たちによる恋と復讐の物語の奇怪な顛末とは―?
著者等紹介
小栗虫太郎[オグリムシタロウ]
1901(明治34)~1946(昭和21)年。本名・栄次郎。東京生まれ。京華中学卒。1933(昭和8)年、「完全犯罪」でデビュー。以後、「後光殺人事件」「聖アレキセイ寺院の惨劇」など法水麟太郎が登場する特異な本格ミステリを次々と発表。戦時中に陸軍報道班員としてマレーに赴任した。戦後、疎開先の長野県で急逝(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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クリフトン
1
長編ミステリの数々の傑作名作を 読んでしまった今の時代には厳しい話し 幾つかの短編を繋ぎ合わせたふうにも感じる 新聞連載なのもそうさせたのかも知れない この国で本当の長編ミステリが生まれるには まだまだ時が必要だったのだろう2025/01/23
dokuni_san
0
なんとも言えない。時代背景や新聞連載出会ったことなど研究には値するかもだけど現代の目のこえた読者にはなかなか厳しいのかな。支離滅裂に感じるところも多いが、入れるところもあり、楽しく読んだ。一つ前に読んだ夢野久作『暗黒公使』でも思ったんだけど、凄い幻影を見ているような気分にはなった。結局好きなんじゃん。2025/04/23