出版社内容情報
パリで、好きなことをする
歌人・水原紫苑が長年の夢だった旅へ。
オペラ座や美術館、ジェラール・フィリップゆかりの地や、
大好きなカテドラル巡り、カフェ通い、ソルボンヌ大学文明講座への留学。
帰りたくない日々を写真と短歌で綴る80日の旅日記エッセイ。新作短歌119首!
内容説明
歌人・水原紫苑が長年の夢だった旅へ。オペラ座や美術館、ジェラール・フィリップゆかりの地や、大好きなカテドラル巡り、カフェ通い、ソルボンヌ大学文明講座への留学。帰りたくない日々を写真と短歌で綴る80日の旅日記エッセイ。新作短歌119首!
目次
八月(パリへ;四十年ぶりのパリ;待っていてくれたトゥール ほか)
九月(九月のパリはおしゃれ;ソルボンヌ文明講座始まる;アヴィニョンの月 ほか)
十月(お芝居の季節;行きたかったニース;リヨンへ友を訪ねて ほか)
著者等紹介
水原紫苑[ミズハラシオン]
1959年、横浜市生まれ。歌人。早稲田大学大学院文学研究科仏文学専攻修士課程修了。春日井建に師事。歌集に『びあんか』(現代歌人協会賞)『くわんおん(観音)』(河野愛子賞)『あかるたへ』(山本健吉文学賞・若山牧水賞)『えぴすとれー』(紫式部文学賞)『如何なる花束にも無き花を』(毎日芸術賞)ほか。毎日新聞歌壇選者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
榊原 香織
115
40年ぶりのパリ、女一人滞在日記。 私も昔行ってすぐまた来ようと思い果たせずにいる。気持ちわかる。でも歌人の著者はそのままパリに住みたくなり、家を買おうと画策する(失敗)。 そんなにいいのかな? ジェラール・フィリップの大ファンだそうです2024/11/16
アキ
109
40年ぶりに訪れたパリ。愛して止まないジェラール・フィリップ生誕百年の2022年8月から2ヶ月半のパリ滞在記と短歌。いきつけのカフェで馴染みの店員と犬を可愛がり、ソルボンヌ大学でフランス語のクラスに通い、ロシア語とイリアスなどギリシャ古典を学びつつ、美術館、映画、観劇を楽しむ。パリでおしゃれに目覚め、服やブーツ、コートを買い、街を散策する。お気に入りのサン・シェルマン・デ・プレ教会で神父と語らう。60を過ぎてパリに恋い焦がれ、本気で家を購入しようと画策する。読みながら、パリで過ごした感覚に陥るステキな本。2023/05/11
kaoru
65
歌人水原紫苑の2022年8月から80日間のパリ滞在記。父母を看取った彼女は青春の地であるパリを訪ねカルチェラタンに住んでソルボンヌ大学の講座に通った。ちょうど生誕100年を迎えた愛する俳優・故ジェラール・フィリップ邸を訪れ、美味しい料理やカフェのギャルソンとの会話を楽しみ、ファッションに興じる。観劇や映画鑑賞、美術館巡り。アミアン大聖堂の威容に圧倒され三島由紀夫の『豊穣の海』を思う。ジャン・リュック・ゴダールの死に驚きウクライナ戦争をクラスで語り合う。当地のネガティヴな描写がないわけではないが軽い記述に→2023/09/14
毒兎真暗ミサ【副長】
26
女流歌人、水原紫苑のパリ紀行文。本作は2022年8月から書かれている。彼女の好きなもの。ジェラール・フィリップ。ワイルド。モリエール。シャネルのオードトワレ。そして……両親と愛犬。喪失した悲しみから奮輝するように出掛けたパリ旅行。母の思い出のネックレス、ワンピースを身につけて。愛に包まれながら知らない街を「異邦人」する。本作には簡単なパリの地図も書かれ、彼女と共に散歩している体が心地よい。観劇が好きな彼女がリポートする。最新演出『サロメ』も見どころのひとつかも。2023/12/22
わいほす(noririn_papa)
7
初めてのパリ旅行を計画した途端、ガイドブックを買わずにこの本を買ってしまう自分が使えない男であるのは間違いない(笑)。さらに歌人であるこの著者は想像を絶する方向音痴で、毎日道に迷っていて目的地に辿り着かない(笑)。加えて家族と恋人と愛犬を失った後の喪失感が漂っていて、情緒不安定にも思える。とは言え、読み物としては面白く、ちょうどゴダールが安楽死したニュースの中、パリの映画館でゴダールの映画を見続けるので、こちらも観たくなってしまう。エッセイはユーモラスだが、それが短歌として詠まれると古典文学のように雅。2023/09/15