内容説明
不世出の天下人・豊臣秀吉の寵愛する夫人たちの静かな対立―大坂城の大奥では、正室・北の政所、蒲生氏郷の妹・三条殿、前田利家の娘・加賀殿の一派と、後に淀君となる茶々殿という半目の構造が水面下で起きていた。茶人・千の宗易(後の利休)の娘・お吟は、大奥に出入りして茶の湯を教えているが、この美しい夫人たちの烈しい女の闘いの渦に否応なく巻き込まれてゆく…。第三回直木賞に輝いた表題作「天正女合戦」および「武道伝来記」、そして中国を舞台に人間の真相に迫る三話を収録した、海音寺潮五郎の傑作短編集!
著者等紹介
海音寺潮五郎[カイオンジチョウゴロウ]
明治34年(1901年)鹿児島県に生まれる。國學院大学卒業後、中学教師を勤めながら、創作活動を始める。『天正女合戦』と『武道伝来記』で第三回直木賞を受賞。『平将門』は歴史小説の先駆けとなった記念碑的大作。史伝『西郷隆盛』がライフワークで絶筆、未完作となった。昭和52年(1977年)死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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