目次
鬼になって思いを遂げた修行者
都の男たちをふるえあがらせた妖しい小箱
あなうまげ。ただひとくち。
男を酔わせた美女の鞭打ち
骨と皮ばかりなる妻を抱きしめ
秘境のイケニエ伝説を打ち破った僧
立ち上がれなくなったヒメ
極悪聖人に天罰下る
恋した女と鬼面の男
山の中で出会った若い盗賊〔ほか〕
著者等紹介
桑原茂夫[クワバラシゲオ]
1943年、東京・芝に生まれ。河出書房新社を経て思潮社「現代詩手帖」の編集に携わり、編集スタジオ・カマル社を立ち上げ、執筆活動も行う(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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タイ子
75
岩井志麻子さんや本作を読んでいると、かつて目を通したことのある「今昔物語」を今一度読んでみたい気になる。本作は今昔物語の中の鬼をテーマに21話の物語が出てくる。さしずめ、大人の紙芝居(TVでもなく、ネットでもない)。ただし、R16指定でお願いします。修行僧であったり、やんごとなきヒメであったり、若武者、いろんな男と女に降りかかる、愛欲と言う名の禁断の欲望。溺れた人間は鬼になったり、鬼だったり…。エロティックで怖い、そんなお話が大好きな人には是非おススメ。ええ、私はもっと読んでいたいと思うほど楽しめました。2021/05/10
ケイト
60
『今昔物語』の鬼に纏わる21話。修行僧、やんごとなきな姫、若侍・・・男と女の愛欲の世界が繰り広げられる。昔は闇が今より深かったので、見間違う事もあったかもしれない。でも闇の中でこの世の物とは思えない禍々しいものが蠢く。人が鬼と化したのか?鬼が人として存在するのか?妖の世界へ落ちて行く男と女。最後は屍となる。『今昔物語』は読んだことないけれど充分楽しめた。2021/06/01
ポチ
50
基の話は今昔物語。その中から鬼に纏わる話を色々と追加、変更した作品。哀れという表現がしっくりする作品が多数。欲望のままに生きた成れの果ては鬼になるんですね。2021/03/28
jolly
4
えっ今昔物語ってこんなにおもしろいんですか。よくできた短編だらけでした。この口語訳がうまいのもあるかもしれませんが、すごくよかった。 2021/07/05