目次
其中日記(其中庵へ;個人誌「三八九」の復活;信州に病み、帰庵しての予後;ぐうたらな日々;道草「おくのほそ道」行;息子の結婚;庵中書見;急転直下の就職;湯田温泉・風来居へ;伊那の井月墓参;市井の隠遁者)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ハイカラ
37
庵に住んでからの山頭火の日記。いっそ清々しいくらいのアル中っぷりで、息子から送金してもらったり友達に援助してもらったりしながら酒を飲んでいる。ダメ人間じゃないかとも思うが、飯がうまい自然が良いと書いていたりするのは素直に面白い。自由律俳句も沢山載っていて、日記の記述と合わせて楽しめる。いい意味でも悪い意味でも山頭火の人となりが知れた。2016/09/28
風太郎
2
山頭火の本の三巻目です。書かれていることを、つらつら思い返してみると、山頭火は人が意図的に作ったもの、作ったシステムというものが苦手なところがあるんじゃないかと思わされます。だから、山頭火が観察しているものはほとんどが自然を中心としたものであり、人が書かれていてもそれは自然の中に取り込まれた断片でしかないのです。推測にしかすぎませんが、山頭火が自由律で句を詠んでいるのも、人に作られた形式から脱しようとする意志の表れのような気がしてなりません。2017/07/06