内容説明
中京の盛都名古屋で代々呉服商を営んできた松丘家だったが、番頭の横領と当主の失踪によって破産状態に陥ってしまった。そして、それから七年―二十三歳になった長男鍵一だったが、最後の頼みの綱であった“七宝の花瓶”を盗まれ、絶望のあまり恋人中込寿美子と古美の海岸で心中を企てた。その花瓶には松丘家に永年伝わる宝物を隠した場所を示す暗号模様が描かれていたからだった。ところが、運よく助けられた二人は、海辺に捨てられていた花瓶を漁師が拾っていたことを知って驚くとともに、その僥倖に力を得て宝探しの謎解きに再度挑むことになったが…。―表題作の他に「意外な告白」、第一回作品「残されたる一人」(脚本)を併収した。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あずき
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まだ他の2冊を手に入れてないのに、先に読み終えた。合作だけどもリレー形式ではなく、共同制作作品。懸賞の為伏せ字だったり、原稿が古いため脱字があったりと当時を偲ばせてくれる。台本形式の「残されたる一人」は若干読みにくい上、時代設定もやや古いのでうむむ・・・って感じ。「南方の秘宝」「意外な告白」は大衆向け感が強い気がする。あとがきの、「意外な告白」における乱歩のキャラ提案と不木の医学的補足っていう座談会が興味深い。あと2冊は地道に古本屋さんを廻ろうと思います。2012/05/27
冬至楼均
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地図はすぐに分かった。名古屋ローカルな話を作ったのは中心メンバーの小酒井のせいかな。2012/02/28