内容説明
九州の西岸にあるS市の旧家大牟田家のあるじ、子爵の敏清は、当時18歳の美女瑠璃子を妻とし、親友川村義雄と三人でしあわせな日をおくっていた。しかし、川村と瑠璃子の邪恋の犠牲となり、敏清は地獄岩から落とされた。墓所の穴蔵に入れられた棺の中で敏清は息をふき返したのであった。暗黒の世界にとじこめられた恐怖は、敏清の黒髪をしらがに変えてしまった。シナ海の海賊朱凌谿が隠していた莫大な財宝を手にした敏清は…。成金紳士里見重之にみごとに恋身した大牟田敏清のふくしゅうはどうなされたか?姦夫姦婦のために家庭を奪われ、財産を奪われた男のせんりつすべき復讐の物語!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
背番号10@せばてん。
28
1976年読了。ビブリア古書堂4からの、なんちゃって登録。記憶が確かならば、私が始めて挑戦した大人向けの長篇、乱歩。ただし、あらすじは忘却の彼方。(2024年5月9日入力)1976/05/09
Yu。
27
人を疑うという事を知らない青年紳士が亡くなった‥ だが蘇った彼はその真相を知るや否や人の心を捨ててしまい、そして。。ある意味 悪対悪の構図になってしまうのだが、誰もがヒーローを応援するチビっ子の如く“白髪鬼”推しになるのは至極当然。。“目には目を‥”なラストに光るフィニッシュ技に思わず拍手((。>ω<ノノ゙ ブラボー!!2019/06/14
散文の詞
19
いわゆる早すぎた埋葬もので、復讐ものです。これで、もうほとんどこの作品を言い尽くした感はありますね。 ただ、後半まではどうなるんだろ?本当に復讐するのか?どういう復讐なんだろ?で、わくわくしながら読めます。でも、最後が、がっかりなんですよね。 しかも、終わり方もなんか唐突な感じで、もうひとひねりあってもよかったのかな?って感じです。 まあ、面白いのは面白ですけどね。 2019/07/20
さり
10
こわい。復讐。2023/03/17
TKK
10
初読みの時は高評価をつけたのですが、今回はなんだか今一つでした。妻と親友に裏切られた男のふくしゅう記で、全てが盛って盛ってで、「いや、そこまでしなくても」と気持ちが引いてしまいました。でもがーっと一気に読めたので、そこはやはり乱歩のストーリーテラーとしての力技なのだと思います。2015/12/07