内容説明
D坂の古本屋の細君が殺された!その死体には生傷がたくさんあった!D坂のカフェー白梅軒で知り合いになったわたしと明智小五郎は、犯人さがしに懸命になった。わたしの推理では明智が犯人かと思われた!だが…。危うく犯人にされそうになった名探偵明智がとき明かしたおどろくべき真相とは?乱歩初期の名作として評判高い「D坂の殺人事件」をはじめ、現場にのこされた足跡のナゾを追って真犯人探求の興味をもりあげる秀作「何者」その他5編を収録した江戸川乱歩の傑作中・短編集!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いりあ
28
春陽堂から大正時代に刊行された江戸川乱歩短編集を文庫で復刊したものです。本短編集には、"何者(1929)""D坂の殺人事件(1925)""一人二役(1925)""算盤が恋を語る話(1925)""恐ろしき錯誤(1923)""赤い部屋(1925)""黒手組(1925)"の7篇を収録。名探偵 明智小五郎が初めて登場した"D坂~"をはじめ明智作品も多めに収録されていますが、"一人~"、"算盤~"や"赤い~"などの短編も秀逸です。乱歩作品は短編が素晴らしい。エログロ描写が少ないので、最初に読むのに良いと思います。2015/11/11
ホームズ
21
何回も読んだ作品ばかりですが楽しめますね(笑)何回読んでも『D坂の殺人事件』の明智小五郎の姿に違和感が(笑)『赤いへや』『一人二役』のような作品も好きです(笑)2012/03/13
TKK
16
名作揃いの初期短編集。明智探偵が和装でもじゃもじゃの髪をかき回すなどまるで金田一耕助。犯罪ヲタクの風変わりな青年という設定で、後のダンディな明智探偵より好ましく感じます。作品も暗号を使った本格から犯罪の雰囲気を楽しむ(というのも妙な言い方ですが)乱歩的いかがわしさにも触れられ、お薦めの一冊です。2015/12/14
やっちゃん
14
先日読んだ傑作選に続いて乱歩さん。表紙が怖すぎだからホラー色強いのかと思いきや正統派ミステリばかりだった。何者。100年前だしまさかここまで入り組んだプロットとは。完全に騙された。全般にモテない男の描写が多くて泣けた。2022/12/09
735
12
真夏の夜は乱歩、一瞬の幻。2015/07/30