内容説明
ドイツ出身のユダヤ人美術家、ダーヴィト・ルートヴィヒ・ブロッホ(David Ludwig Bloch,1910‐2002)。彼はドイツのフロスで生まれ、その後ミュンヘン‐上海‐ニューヨークと移動をしながら創作を続けたアーティストである。孤児であり、また病気で聴力を失いながらも、戦争と移動の時代といえる20世紀の芸術家として生き抜いたその航跡を、本人との手紙のやりとり、ゆかりの土地への旅、残された関係者との交流によって描き出す。
目次
プロローグ ダッハウ強制収容所記念館から
第1部 ブロッホの上海体験
第2部 ナチズムの嵐の中で
第3部 上海ゲットー、提籃橋のほとりから
第4部 ブロッホと鄭迪秀
第5部 「私の絵は私の言葉」
第6部 ブロッホゆかりの地で巡りあった人と風景
著者等紹介
大橋毅彦[オオハシタケヒコ]
1955年東京都生まれ。1987年早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程満期退学。共立女子第二中学高等学校教諭・甲南女子大学教授を経て、関西学院大学文学部教授。博士(文学)。『昭和文学の上海体験』(勉誠出版、2017年)にて第26回やまなし文学賞(研究・評論部門)受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ダッハウ強制収容所記念館から ブロッホの上海体験:上海租界とユダヤ人 行動するブロッホ 黄包車刊行 ナチズムの嵐の中で:就学の出発地ミュンヘン 青年美術家誕生 ダッハウ抑留体験と芸術創造 上海ゲットー、提籃橋のほとりから:上海ゲットーの設置・ユダヤ人美術家 ブロッホと鄭迪秀:人生の伴侶との出会い 鄭迪秀の物語 「私の絵は私の言葉」:ホロコースト・シリーズの作品群 ホロコーストの聾唖芸術家 忘れたくない最晩年の作品 ブロッホゆかりの地で巡りあった人と風景:生地フロスへ リディア・アベルのために2021/04/20