内容説明
遠州浜松六万石水野家の江戸下屋敷において、怪しげな陰謀が渦巻きはじめていた。三筋町に住まう小唄師匠のいい女延寿は、ひそかに想いを寄せる浪人蜻蛉時太郎が正体をなくし、猪牙舟で大川を流されていくのを禊橋の上で発見して救わんとその跡を追ったが、この辺りに勢力を張る渡世人八つ目の真助一家も執拗にまたその延寿の跡を追っていた。この延寿の危難を助けてくれた宗十郎頭巾の浪人は、宿無し星影月太郎と名乗った。男嫌いが看板の延寿のおんなごころに、時太郎と月太郎の両人の面影が入り乱れた。水野家下屋敷では、側室真弓とその庶子水之介によって、着々と策略が進められていた。―お家騒動に登場した蜻蛉時太郎・星影月太郎と名乗る颯爽の浪人の正体とは…。
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- 和書
- 俺の資料がダサすぎる!