内容説明
江戸は両国の料亭で、年に1度の刺青競艶会が開かれていた。手長猿の刺青を妖しげに白い裸身に彫った蓬莱橋のお源が1番に選ばれようとしたとき、花川戸のゆき路が現れた。ゆき路の刺青は白粉彫りの緋牡丹絵図であった。その見事さにゆき路が1番に選ばれ、賞金百両を獲得した。ゆき路の供の北八が百両を持っての帰り道、突如出現した怪浪人は恐るべき左腕殺法の剣鬼、“名なしの権兵衛”こと海江田前鬼であった。絶体絶命、危機一髪のゆき路と北八の2人を、危うく救ってくれた白羽二重に朱鞘の若侍は“気まぐれ俊太郎”と名のった。そして、下総香取1万石、菊の間詰めの内田伊勢守正容の屋敷に誘い込まれたゆき路の運命は…?
-
- 和書
- ビーズ刺繍のバッグ