内容説明
めじろ長屋に住むのんびり浪人榊平四郎に家主藤吉の娘お粂が奇怪な事件について報らせた。風呂で見た24、5の美しい女の胸から白蛇が現れたという。それは白粉彫りと称される刺青であった。しかも、その女が下谷稲荷の境内で全裸で殺害され、その乳房の一方がえぐり取られていたという。同じような事件が大護院の森でも発生していた。こちらは真っ白な臀部の肉が無惨にもえぐり取られていたという…。怪事件探索に乗り出した平四郎の前に立ちふさがるのは、怪人牛丸蜥蝪斎・お高祖頭巾の女・人斬り浪人信楽幻三郎らの怪しの一味であった。―豊後岡藩7万4百石中川修理太夫家にまつわる秘宝をめぐって巻き起こった怪事件を平四郎の正義の剣はいかに裁くか。